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211系のグリーン車で国鉄時代に製造されたものは全て平屋のサロ210形とサロ211形で、各6両が製造された。サロ210形には車掌室及び事業用室、サロ211形にはトイレが設けられている。1989年以降のダブルデッカーグリーン車の連結にあたっては、各編成とも最低1両にダブルデッカーグリーン車が連結されるよう組成変更がなされた他、2005年以降は東海道線東京口のグリーン車の完全ダブルデッカー化と高崎・宇都宮線普通列車へのグリーン車連結に際しては、全車耐寒耐雪化改造を施工のうえ1000番台に改番され、高崎車両センターに転属した。グリーン車Suicaシステムにも対応したが、E233系への置き換えで宇都宮線、高崎線の普通列車から211系が撤退するに併せて廃車が進み、2014年までに全車廃車された。
2012,08,11 上 野 |
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JR移行後に製造されたグリーン車は、着席定員向上もありすべて2階建てで製造された。形式もサロ212形(車掌室、業務用室付き)とサロ213形(トイレ、洗面所付き)に分けられているが、213系ではなく211系の一形式となる。113系のグリーン車にも同型車が新造された他、以降製造される普通列車のグリーン車も全て2階建て構造となり、本形式はその先駆けといえる存在である。一部は2006年から高崎に転じ、耐寒耐雪化改造を受けて1000番台に改番された。長らく用いられてきたが、E233系の台頭で活躍場所を追われ、2014年までに全車廃車されている。
2012,08,03 上 野 |
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名古屋地区に投入された0番台。1986年のダイヤ改正における名古屋地区の列車増発を受け、MC-M-T-Tcという構成の4連2本が神領電車区に新製配置された。クモハ211形の0番台はこの2両のみである。製造当初は青と白の2色帯を配していたが、1988年に所謂湘南色に変更されている。JR東海以降製造された211系はロングシートの5000番台/6000番台のため、内装がセミクロスシートの211系はJR東海では0番台8両のみの存在である。1999年に120km/h対応化工事が施工され、近年では関西本線でも運用されるようになっている。117系やキハ40系列が存在しない現在、JR東海では唯一国鉄時代に製造された車両だが、315系の増備によっていよいよ置き換えられることになり、2022年3月のダイヤ改正を前に西浜松に廃車回送された。本車の運用離脱により、JR東海の在籍車両は民営化以降の新造車に統一された。
2008,08,05 大 垣 |
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耐寒耐雪化改造のうえ、長野総合車両センターに転属した0番台。6両固定編成を組んでいた115系C編成の置き換えを目的としており、基本編成から付随車を脱車した6両が改造種車となっている。帯色はE127系100番台に準じた「信州色」に変更され、スノープラウの取り付け、半自動開閉用押しボタンの新設、暖房能力の向上、セラミック噴射装置の増設など、耐寒耐雪化に加え、山岳区間での運用に対応した。長野総合車両センターの211系は2013年より運用を開始していたが、こちらは改造項目が多いこと等もあり、2014年から翌年にかけて転属し、同年までに115系C編成を全て置き換えた。
2014,08,30 大 月 |
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同じく耐寒耐雪化改造のうえ、長野総合車両センターに転属した2000番台。こちらも基本編成から付随車を脱車した6両が種車となっており、0番台と同様の改造が施されている。車内もオールロングシートのままであり、クロスシート設置などの改造は施されていない。なお、基本編成は余剰車を除き全て長野総合車両センターに転属したが、付属編成は転属対象とならずに全車廃車されている。
2019,09,01 大 月 |