|
1988年登場。老朽化の進んでいた103系や165系の置き換えと冷房化率向上を目的にJR東海が独自に制作した車両である。211系2000番台をベースとしており、オレンジと緑の所謂「湘南色」の帯を纏う点も同一だが、こちらは前面貫通扉・助士席側の前面窓が下方に拡大しており印象が若干変わっている。内装も化粧板・床のカラースキームが暖色系となり、また乗降扉も化粧板がつくなどの変更点が生じている。また同車の冷房装置にはインバータークーラーが採用されているが、これはJR東海の在来車の冷房化の際にも採用されている。尚、トイレは神領区に配置されたクハ211形5300番台には設置されているが、それ以外の制御車には設置されていない。編成は後述の6000番台を除き3・4両だが、JR東日本の211系とは異なり電動車比率は半分以上となっている。初期に製造された車両は行き先表示にLEDを採用し、当時としては先進的であったものの、表示に難があったことで後に製造された車両は方向幕へと戻されている。先進的な機構としては、製造当時より車外スピーカーが取り付けられていたことも挙げられる。尚、1990年以降に製造された車両の一部は2連を組み6000番台とされたが、この車両のみ213系同様1M方式が採用されている。全て合わせて1991年までに242両が製造され、当初は静岡地区・名古屋地区を中心に使用されたが、313系の増備に伴い3連を組んだ編成を中心に静岡地区への転出も目立ち、現在は神領区と静岡区に配置されてそれぞれ東海道線と中央線で使用されている。凡そ30年に渡り主力車両の一翼として使用されてきたが、325系の新造に伴い2021年以降順次置き換えられることが計画されている。
2008,03,18 鶴 舞 |