20100形
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 20100形は従来使用されていた3000系の置き換えを目的に、2021年以降に導入された車両である。本形式の種車は東武20000系の中間電動車と20050系の中間電動車のうち、東武20400系へ改造されなかった車両であり、京王重機まで陸送のうえで改造が施されている。東武鉄道の他社への鉄道車両譲渡は1996年の上毛電鉄350系(元3050系)以来実に25年ぶりのことである。いずれも中間車が種車のため譲渡に際しては先頭車化改造が施されており、小田急3000形に似た印象の運転台部分が新設されている。前面の窓及び灯具、表示器周りは黒く塗装されているが、下部は3000系やバスでおなじみの「ダイナミックストライプ」があしらわれ、アルピコ交通の車両であることを象徴している。他方側面は3000系がダイナミックストライプとなっているのに対し「アルピコブルー」と称される青い帯を巻き、車端部にアルピコグループのロゴマークが配された姿となっている。表示器はフルカラーLEDのものが採用されており、通常表示する行き先以外にも多彩な表示に対応している。台車は種車のものを流用しているが、走行機器類は一新されており、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となった(制御装置は東洋電機製のものが採用された)。アルピコ交通を走る車両として初のVVVFインバーター制御車両となった。なお、種車はいずれも電動車だが、新島々方の車両(元20000系)は電総解除されており、結果として1M1Tの編成となった。集電装置は制御車側に集電用の2基(離線対策、SIVへの安定した電力供給を目的に2基搭載となっているが、1基でも運用可能である)、制御電動車側に霜取り用パンタグラフを備え、いずれもシングルアームパンタグラフが採用された。主幹制御器は3000系と同等T型ワンハンドルマスコンハンドルで、運転用モニター、監視カメラモニター、ドア開閉装置等のワンマン運転で用いる機構が備え付けられている。車内は種車と同じくロングシートで、袖仕切りの形状等も種車の形状を引き継いでいる。ただし化粧板や床材、モケットはいずれも替えられており、特にモケットが緑基調の柄入りモケットとなった他、照明類がLED灯になったことで、従来に比べて明るめの内装となっている。車内案内表示器は液晶表示器となっており、運転台後部の他天井部にも1両につき計6基取り付けられている。扉は半自動開閉が可能となり、全ての側扉付近に押しボタンが新設されている。また、車端部は各車とも車椅子スペースが新設された。20100形は各種試験の後2022年3月に営業運転を開始した。2023年には第2編成も導入されており、最終的には2連4本の陣容となり3000系を一掃する予定である。

 2023,06,10  渚 


2023/06/12