5000形
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 1975年登場。脱線事故を受けて廃車になった3100形第2編成の代替を兼ねて製造された自社発注車両である。全長19.5メートルと3100形に比べて大型化しており、高運転台構造となった乗務員室、貫通扉の設置等同時期に製造が続いていた国鉄の115系を思わせるデザインとなっており、耐寒耐雪構造・抑速ブレーキの設置なども同形に準じている。ただしライト位置等は独特のものであり、また側面も片側2つドアという構造になっていて異なるが、この姿は後に製造される国鉄キハ47形気動車や417系電車などに似た姿と言う事が出来る。また、こちらは駆動方式が3100形にあわせてWN駆動方式である点が115系とは異なる(115系は中空軸平行カルダン駆動方式)。車内は扉付近がロングシート、それ以外がボックスシートというセミクロス構造であり(尚、内装面の一部は国鉄車と部品を共用している)、また当初より分散式の冷房装置を備えていた事が特筆できる。当時の地方私鉄の車両において自社発注兼新製冷房車は稀有な例であり、このことが評価されて1976年にはローレル賞を受賞している。尚、トイレは設けられていない。もともと3100形の代替車であることから2両が製造された以外の増備はなされず、以降現在に至るまで2両のみの陣容となっている。登場当初は水色ベースの富士急カラーに塗られていたが、富士急ハイランドのイベントラッピングがなされる傾向が強く、1998年以降は完全に「トーマスランド号」に改められている。当初、内装は比較的原形を維持していたが、2007年には化粧板がトーマス仕様となる等内装も大幅に手が加えられた。同時にLCDの案内表示器が取り付けられ、サービス向上もなされている。また車端部の一部は座席撤去の上で自動販売機が設けられている。更に2010年には運転台のレプリカやトーマスチェア等が新たに設けられる再リニューアルがなされた。1日2往復の限定運用が組まれており、製造から40年以上他車に混じって活躍していたが、2019年2月に惜しまれつつ運用を離脱し廃車された。廃車後は5001号車が下吉田駅構内にて静態保存されている。

 2012,09,26 田野倉〜禾 生


2019/09/01