MLRV1000形
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 2003年登場。それまでの加越能鉄道から第3セクター会社として再出発した万葉線が車両近代化を図って投入した2車体低床連接車両であり、7070形以来実に36年振りとなる新製車両で「アイトラム」の愛称を持つ。尚、形式のMLRVはManyosen Light Rail Vehicleから取られている。車体は新潟トランシスで製造されたもので岡山電軌9200形に準じたものとなっているが、こちらはデザインを佐藤康三氏が手掛けており、基本コンセプトを「情熱」「元気」としてそれを表した真紅一色に塗装されている。また、側扉は比較的冷涼な気候を考慮し、1編成につき2扉となっている。VVVFインバーター制御方式や超低床車の導入は勿論、冷房車の導入も初めてのことであり、新生「万葉線」を象徴づけ大幅なサービス向上に貢献した。2003年末に2編成が導入され、2004年1月より営業運転を開始した同車は、同じ年にグッドデザイン賞を受賞しており、華々しくデビューを飾った。しかし営業運転開始後は初期故障に悩まされ、特に立て続けに脱線事故を起こしたことで2004年から2005年にかけては全編成が運用を外れていたこともある。現在はそれらを克服し、2006年より再び増備が進んだ結果2009年までに6編成が投入され、同線の最大勢力となるに至った。これにより、特に日曜日のダイヤでは全ての運用を同車が担うことも可能となったが、現状では既存のデ7070形と併用されている。登場から10年が経過したが最終増備以降は大きな変化はなく、全車とも万葉線の主力車両として活躍している。尚、2012年より1編成が「ドラえもんトラム」として塗装変更されており、以降現在まで続いているが、検査等で「ドラえもんトラム」となる編成が入れ替わっている。

 2009,03,10 高岡駅前


■Variation
 「ドラえもんトラム」としてドラえもんをイメージした青色基調に塗り替えられている第2編成。側扉は「どこでもドア」を模したデザインとなり、側窓にはドラえもんの主力キャラクターが描かれている。内装も化粧板が青色基調となり、やはりひみつ道具を始めとしたドラえもん関連のイラストが描かれている。これは作者の藤子・F・不二雄氏が高岡市出身であることに起因しており、ドラえもんが誕生するちょうど100年前となる2012年9月より運行を開始した。当初は第5編成を使用し、1年で終了となる予定だったが、同編成のラッピング終了と併せ第2編成が「ドラえもんトラム」に改められた。以降も検査等で編成を変えつつ、現在に至るまで間断なく続いており、とりわけ親子連れには人気の高いものとなっている。

 2014,10,19 米島口

2021/12/30