10030形
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 1990年登場。釣り掛け駆動方式の旧型車置き換え及び車両冷房化の促進のために、京阪で廃車となった3000系を譲り受けたものである。ただし軌間が異なるため、台車は営団3000系の廃車発生品を流用しており、更に他車との運用共通化を図る為に制動は電気指令式から電磁直通制動に変更されている。車内は種車のままの転換クロスシートが並ぶが、扉付近にある補助椅子は使用できなくなっている。また、10030形は鉄道線の車両では最も早くワンマン化されており、ワンマン化改造の際に運転台後ろ部分の座席及びテレビが撤去され、ワンマン運転に必要な機器類が搭載された。1993年までに2連8本16両が竣工し、鉄道線では最も両数の多い車両となった。この内最初期に竣工した2編成は京阪時代の塗装のまま営業運転を始めたが、それ以後の車両は新塗装である黄色と緑のツートンカラーを採用。現在は全車が現行へと塗り替えられている。尚、1996年以降一部編成の台車及び主電動機がJRの発生品に交換されており、該当車両は主電動機の出力が増加している。現在は1編成が京阪時代の塗装へと復元されており、該当編成には鳩印のヘッドマークも取り付けられている。2013年には20年ぶりに1両が追加譲渡されたが、これは京阪におけるダブルデッカー車両のさきがけである8831号車が種車となっており、北陸新幹線延伸を見据えた新たな観光車両として、前述の京阪塗装の編成に組み込まれて「ダブルデッカーエキスプレス」として固定編成化された。結果として10030形は17両の陣容となっており、鉄道線における主力車両として活躍している。近年まで全車とも在籍していたが、2021年には2両が廃車されている。

 2009,03,10 越中舟橋〜寺 田


■Variation
 一部車両は、下部のライトが交換されており若干印象が変わっている。

 2009,03,10 越中舟橋〜寺 田
 2012年になり京阪特急色へと復元された第2編成。同時に車端部に液晶テレビが設けられ、京阪特急の象徴であった「テレビカー」が復活することとなった。2013年にはこの編成に中間付随車サハ31号車が増結され、「ダブルデッカーエキスプレス」という愛称もつけられた。以降は3両編成での運用となっており、特急列車にも使用されている。特急運用時には京阪特急と同じく鳩マークが取り付けられており、往年の姿を今に伝えている。

 2014,10,18 上 市
 2013年の京阪引退後、富山地方鉄道に譲渡されたダブルデッカー車。北陸新幹線の延伸を見据え、新たな観光車両として導入が計画されていたものである。元は京阪でただ1編成残った3000系の車両更新にあたり目玉車両とすべく改造がなされたもので、同車の導入が功を奏し現行の8000系にもダブルデッカー車が組み込まれることとなっている。同車の譲渡の際は、台車をJR419系の廃車発生品に換装し車両形式を「サハ31」とした以外、外観上は大きな変化もなく、特徴的だった京都時代祭りのイラストもそのまま残されている。車内も基本的に種車のままだが、ワンマン運転用の装備やカードリーダーが新設されている。同車を組み込んだ編成が特急に使用される場合、この車両は座席指定となり、追加料金が必要となる。

 2014,10,18 上 市
 サハ31号車が外された10033編成。前述のとおり基本的に「ダブルデッカーエキスプレス」として3連を組む同編成だが、車両不足等の際にはこのようにサハ31号車を外し他の10030形と共通に使用されることもある。

 2022,06,17 上 市

2022/06/18