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東急では2007年より新型車両7000系を池上線・多摩川線に導入し、これを増備することで旧型車両を置き換える予定であったが、その後の計画変更により7000系は7本の陣容で止まってしまった。折しも東急では2013年のダイヤ改正で東横線から撤退した1000系が余剰となっており、このうちの一部を改造した上で池上線・多摩川線に投入することで旧型車の置き換えを促進することとした。この背景から登場した車両が1000系1500番台である。それまで8両を組んでいた編成は3両に短縮されており、外観上の変化としては帯色が7000系に準じた濃淡グリーン及び金色に変更された他、行き先及び種別表示器のLED化・種別表示器の撤去(その跡には車号を表示)、集電装置の換装及び増設等が挙げられる。元々先頭車は全て制御車であったが、そのうち五反田寄りの制御車は電動化されており、あわせて制御装置が換装され、7000系と同等のIGBT-VVVFインバーター制御方式となった。機器の二重化などもなされており、冗長性が確保されている。尚、制動の方式は種車のものを引き継いでおり、緩解音もそのままである。車内はロングシートだが、化粧板が木目調となった他、スタンションポールが増設され、更にモケット色が緑色を基調としたものになるなど、全体的に7000系に準じた内装となった。ただし座席自体は従来のものを使用しているためバケットシートとはなっていない。扉鴨居部には本番台への改造前からLED式の車内案内表示器や扉開閉予告表示器、ドアチャイムが設置されており、改造後もそのまま併設されている。当時他の1000系にはこれらの設備はなく、7000系は液晶表示器を搭載することから、LED式の車内案内表示器は池上線・多摩川線の車両としては初の導入となった。この他、ワンマン運転を行うことから対応機器が増設されている他、保安装置としてはATCが撤去され、代わりに定位置停止支援装置「TASC」が設置されている。この1000系1500番台は2014年5月から営業運転を開始しており、その数を増やしつつある。尚、車番自体は改番されているものの基本的に種車の車番を元に振られているため、既に他社に譲渡された等の理由で一部に欠番が生じている。なお、東横線からの転入車以外にも、既存の編成で機器更新を伴うリニューアル工事が施工された場合は1500番台に改番されており、現在もなお漸次増えつつある。
2014,05,31 武蔵新田〜下丸子 |