02系
トップページ鉄道写真図鑑東京地下鉄>02系
 1988年登場。車両の更新時期にきていた500系列の置き換え用に製造された、丸ノ内線第2世代の車両である。既に銀座線で導入されていた01系をベースとしたアルミ合金製の車体であるが、車両限界の大きい丸ノ内線に合わせ、01系と比べて車体は大型となっている。また、500形のイメージを継承し、前面などに丸みを持たせたデザインを採用するなどデザイン面でも01系との差異を見出すことができる。また、01系と異なり側面上部にも赤いラインがまかれており、特に赤坂見附駅での銀座線との乗り換えの際、01系との混同を防止する工夫もなされている。車内はロングシートで、初期車両は扉鴨居部にマップ式の案内表示器が設けられた。尚、制御方式は01系に準じており、初期に製造された車両は高周波分巻チョッパ制御方式を採用した。02系は数多く在籍した500系列の置き換えに増備が進められることとなり、増備の途中から仕様の変更が生じている。具体的には冷房装置の新規設置(初期車7本は非冷房で落成し後に搭載)、方向幕のLED化、制御方式のIGBT-VVVFインバーター制御方式化などが挙げられている。最終的には1995年までに本線用に6連53本が製造され、本線用の500系列をすべて置き換えた。加えて同年以降は方南町支線も置き換えることとなり、支線用3連6本の製造を以て本系列の増備は終了した。この本数は東京メトロの同一形式では最も多いものであり、現在もその記録は破られていない。現在ではATO・ワンマン運転に対応すべく機器更新や車内案内表示器の設置を行うなど後天的な改造が続いている他、2009年からは初期車を対象にリニューアル工事も施行。施行車はVVVFインバーター制御方式となったが普通鉄道では日本で初めて永久磁石電動機を搭載し、以降の車両の礎ともなっている。2010年代後半においても丸ノ内線の主力車両として活躍しているが、2018年度からは後継となる2000系が営業運転を始めたため、B修繕工事未施工車から廃車が始まっている。

 2012,07,31 後楽園


■Variation
 行き先・運番表示が幕となっている車両。02系の幕車は全53本のうち1991年までに製造された12本のみと比較的少数派であり、現在では後述のB修繕工事によって更に数が減っている。

 2012,07,31 後楽園
 1993年以降に製造された02系は、同時期に製造された07系等と同様、IGBT-VVVFインバーター制御方式が採用された。特に1994年〜1995年は大幅に増備されたこともあり、編成によって制御装置のメーカーが異なっている。

 2012,07,31 後楽園
 2010年よりB修工事が始まった02系。側帯は赤帯に白いサインウェーブを巻いたものとなった他、内装は初期の300形を彷彿とさせるサーモンピンクの化粧板が採用される等更に丸ノ内線旧型車を意識した意匠となったのが特徴である(登場時、前面帯は赤一色であったが、後に改良されて現在の姿となっている)。ただし扉鴨居部に液晶表示器が2基付き、従来車椅子スペースのなかった車両にはそれが新設される、冷房能力を向上させる等、更なるサービスアップも図られている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式に改修されたが、主電動機にはDDMではない日本の鉄道車両としては初めて永久磁石同期電動機を本格的に採用。従来の三相誘導電動機と比べて消費電力量の削減を実現している。2014年までに19本がこの修繕をうけているが、2000系投入後はこのグループも置き換え対象となる。

 2012,07,31 後楽園
 前照灯がLED灯に換装された第2編成。この編成のみの特徴で、他編成には波及していない。

 2019,05,01 四ツ谷
 最後まで残った500系列を置き換える為、方南町支線に導入された02系は80番台に区分される。本線用の車両をベースとしながらも3両編成となり、識別の為に赤ラインの上に細い黒ラインが追加されている。支線用の車両であるので内外装とも若干簡素化されており、前面の行き先表示は方向幕を採用。また同線内でワンマン運転を始めるまでは、自動放送装置や車内案内表示器も設置されていなかった。

 2012,07,31 中野坂上

2019/05/02