ED4010形
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 ED4010形は1946年に東武鉄道が導入した40t級凸型電気機関車であり、東芝で製造された所謂「東芝戦時標準型」と称される機関車の一種である。本形式は東芝の網干工場で製造され、元は海南島(現在の中国)にある日本窒素の工場・鉱山にて使用する予定で同社が発注をかけていたが、戦局の悪化・終戦に伴い導入を断念せざるを得なくなり、それを東武鉄道が購入したものである。その経緯は名鉄デキ600形に類似している。東武では2両を購入しており、元々はED40形ED401、ED402という車号がつけられていたが、1955年の形式改正に伴いED4010形に形式変更されている。登場時から千住駅や業平橋駅を中心とした伊勢崎線や佐野線系統の貨物取扱駅で入換に従事した。車両の構造上運転時に正面向きではなく横向きに運転する必要があることから本線系統の貨物列車には殆ど充当されず、本線走行時は入換仕業の都合で車掌車や数両の貨車を牽引することが多かったようである。1961年には製造当時の板台枠台車からウィングバネ台車に換装された他、前照灯の換装(白熱灯→シールドビーム)、保安装置の新設等の各種改造が施されつつ使用され続け、昭和期の東武鉄道の貨物輸送を縁の下で支えた存在といえた。東武鉄道では増備車のED4020形共々珍しい凸型電機であったが、ED4011が1982年、ED4012が1981年にそれぞれ廃車されており、営業線上から姿を消している。廃車まで杉戸機関区に配置されており、東上線には配置されていない。なお、ED4012は部品取りとして杉戸機関区内に長らく姿をとどめていた。他方ED4011は廃車後日光けっこう漬け本舗森友店の敷地内に静態保存され、現在まで定期的に整備されながらその姿を留めている。

 2023,02,11 けっこう漬け本舗森友バイパス店


2023/06/22