1990年登場。接客設備の陳腐化した1700系・1720系を置き換える為に製造された、日光線系統用の特急型車両であり、「スペーシア」の愛称を持つ。東武鉄道の車両として初めてアルミ合金製の車体を採用しており、流線形のスマートなデザインとなった。塗装はホワイトをベースに窓周りを黒くし、更にサニーコーラルオレンジとパープルルビーのラインが配されたデザインを採用。この塗装は300系・350系にも採用されており、日光線のブランドカラーとなっている。制御方式として10080系で試用されたGTO-VVVFインバーター制御方式を初めて本格採用し、省エネ化が図られている。車内は銀座東武ホテルを手掛けたデザイナーによってデザインされており、豪華な内装となっている。特に浅草方先頭車は1両全てが個室車となっている点が特筆できる。民鉄では初の個室車両であり、更に昼行特急で1両全てが個室車となった車両は本系列がJRを含めて日本初である。通常の座席車も1100mmピッチでリクライニングシートが展開しており、JRのグリーン車に匹敵するものとなっている。この他サービスカウンターやビュッフェ設備も設けており、観光輸送にふさわしい充実した内装を誇るのが特徴といえる。100系は1991年までに6連9本が落成して1700・1720系を全て置き換え、一躍東武鉄道のイメージリーダーとなった。1991年にブルーリボン賞を受賞しており、登場から20余年経った現在でもなお人気・知名度の高い車両となっている。尚、2006年からはJR東日本との直通特急の運転が開始されたが、それに際し3編成にJR線直通用の機器を搭載し、活躍の場が一気に新宿や品川へと広がっている。尚、2011年からリニューアル工事が開始されており、翌年までに全車リニューアルを終えている。行き先表示器はリニューアル直後まで幕式であったが、2014年よりフルカラーLEDへと換装され、現在に至っている。2021年からは製造から30年を迎えたことを記念し、元の塗装への復元や1720系を模した姿への再現などの動きが出ているが、2023年以降新たなフラッグシップ車両であるN100系が製造されることになり、今後の動向が気にかかる。
2008,01,22 赤 羽 |
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