9000系
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 1993年登場。老朽化した6000系の置き換えを目的に、8000系と並行して製造された車両である。東急車輌にて製造されたが、従来相鉄では車両更新の際に東急車輌で行うことが多く、完全新製車では初めての事例となっている。10両固定編成を組み、編成の2か所をセミクロスシートとするという基本的な車両構成・内装は8000系に類似しているが、こちらはアルミ製車体ながら全塗装となった他、前面デザインも独自のものに変更されている。また、制御装置が東洋製のものに変更されているが、従来通りの直角カルダン駆動方式を採用している。8000系より遅く、2001年までに10連7本が製造されたが、行き先表示器のLED化、車内案内表示器の変更及びドアチャイム設置等のマイナーチェンジは8000系と同時期になされている。以降に製造された車両がJR車と共通設計となったため、直角カルダン駆動方式を採用した相鉄独自車両の中では本形式が最新となっている。8000系や11000系等と共に、優等運用を中心に活躍している。なお、2013年からは保安装置換装に起因した制御装置の更新(これによりGTO-VVVFインバーター制御方式からIGBT-VVVFインバーター制御方式に変更)がなされている他、2016年からは大幅なリニューアル工事も施工され、施工車は従来とは大きく異なる外観となった。因みに元々9000系の車内案内表示器はLED式だが、リニューアル車ではLCDに改められている。リニューアルは10連6本に施工され、リニューアルが施されないまま存置された第1編成が2020年に廃車されたことで、本系列はリニューアル車に統一されている。

 2008,09,02 西 谷


■Variation
 9703F以降は表示器がLED化されている。更に1996年製造の9704F以降は内装面でも車内案内表示器の位置が妻部から扉鴨居部に移り、かつ一段表示のものになり、ドアチャイムが製造当初から設けられる等の変更が生じている。尚、この9706Fから相鉄ではシングルアームパンタグラフが採用されており、現在では他形式にも波及されている。

 2012,01,01 西 谷
 2001年、最後に落成した9707F。この編成が最初に新塗装へと塗り替えられており、旧塗装で在籍した期間は9000系の中で最も短い。この編成を皮切りに、漸次新塗装への変更が進んだが、更にリニューアル及び「YOKOHAMA NAVY BLUE」への変更がなされたことで、この塗装も比較的短命に終わってしまった。

 2008,09,02 西 谷
 大規模なリニューアル工事が施された9000系。前照灯が従来急行灯の設置されていた場所に移設され、行き先表示器にフルカラーLEDを採用するなど従来とは大きく印象が異なる。また同リニューアル車では、相鉄創立100周年と近い将来の他社線乗り入れをにらみデザインの刷新を図る「デザインブランドアッププロジェクト」の一環で、阪急マルーンを参考に横浜の青をイメージした「YOKOHAMA NAVY BLUE」一色に塗装されている点が特徴である。車内はグレーを基調とし、北大阪急行で導入実績のある時間帯等で色調の変化するLED室内灯を採用したほか、編成に2両あるセミクロスシート車でのボックスシートにスコットランド製の本革を採用するなど、サービスレベルの更なる向上も図られている。9000系のリニューアルは2019年までに完了し、リニューアル対象外となった第1編成は2020年に廃車された。なお、8000系の一部編成以降の車両については順次「YOKOHAMA NAVY BLUE」への塗装変更が進む予定となっている。

 2021,12,16 天王町
2021/12/17