300形
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 300形は2020年に導入された通勤型車両で、100形以来7年ぶりの新形式車両である。近年の近江鉄道の車両と同じく親会社にあたる西武鉄道の中古車両を譲受の上改造を施して導入しているが、それまでの900形、100形が新101系・301系を種車としていたのに対し、こちらは界磁チョッパ制御方式を採用していた3000系が種車となっている。元々2014年から翌年にかけて6連2本を譲受していたが、長らく改造等が行われず高宮駅構内に留置されていた。元々3000系は先頭車が制御車であることから、改造に際しては運転台部分のみを切断し、中間車に運転台部分を接合している。この他、保安装置の換装やワンマン運転への対応など、近江鉄道への走行に適した改造が施されている。車体色は100形と同じ水色だが、こちらは白い帯が巻かれず水色一色となっている。また、西武3000系の特徴であった所謂「ブラックフェイス」はそのまま引き継がれ、100形との外観上の差異となっている。行き先表示器は白色LEDに改められているが、これは近江鉄道では初の採用である。走行機器類は種車のものを活用しているため、近江鉄道では初の界磁チョッパ制御方式の車両となった。車内は引き続いてロングシートが採用されているが、リニューアルによりモケットや床材、化粧板が全て貼り替えられている他、優先席や扉付近の仕切り・握り棒は黄色く着色されている。扉鴨居部にはワンマン運転用の表示器とは別に液晶の車内案内表示器と扉開閉ランプが設置されているが、これは近江鉄道では初の導入となった。また、乗務員室背後の運賃箱横に車椅子ペースが設けられたほか、連結面の車端部も一部座席が撤去され、サイクルトレイン運用時の自転車置き場となっている。この300形はまず1編成が竣工し、元々2020年5月に運行を開始する予定だったが、諸般の事情からずれこみ、同年8月より一般営業運転を開始している。翌年には更に1編成導入され、現時点では2連2本の陣容となっている。他の車両とともに主力車両の一翼として活躍している。

 2023,07,31 八日市


2023/10/10