2000系
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2000系:2000系・新2000系
 1977年登場。当時編成増強の困難であった新宿線の、特に各駅停車の輸送改善を図るべく製造された通勤型車両である。当時の西武鉄道では20m3扉の車両が主流となっていたが、この2000系では同一の長さで更に乗降のスムーズ化を図るべく、西武として久方ぶりに4扉車体で製造された。塗装は従来車にもあるレモンイエローであり、前面に銀色の飾り板がつけられ丸型のヘッドライトが採用されている点も変わらない。しかし前面に貫通扉が取り付けられた他パノラミックウィンドウも採用されるなど、基本的なデザインは大きく変わっている。また側面では戸袋窓が廃された他、制御方式は西武鉄道で初めて界磁チョッパ制御方式を採用し、回生ブレーキを備えたことから従来の車両に比べて省エネ化が図られている。また全電気指令式ブレーキも同車が初採用となっている。このように走行機器類に関しては従来車に比べて一新されており、新時代の車両と位置付けることができる。尚、秩父線への乗り入れは基本的に考慮されなかったことから抑速ブレーキはついていない。一新された走行機器に加え、元々同系列のみの単独での使用が前提だったこともあり、従来の車両とは連結が出来なくなっている。先んじて6両編成が営業運転を開始したが、8連化の進捗によって一部編成組み替えと車両新造が行われ、まず1984年まで製造が続いた。1986年には事故により8両が廃車されるが代替車が新造され、結局2000系は1988年までに122両の陣容となった。尚、2000系は全車とも西武所沢車両工場で製造されている。1988年以降製造される新2000系を合わせると合計436両(事故廃車分除く)もの陣容となり、当時こそ異端だったものの西武鉄道で最も両数の多いグループに成長している。1988年以降側面方向幕の設置、1996年以降車体更新が施されており、今も尚新宿線の主力車両として活躍しているが、現在は30000系や40000系の台頭によって廃車が発生している。因みに更新工事は2006年にかけて、10年という長期に渡って行われたことから、時期により行き先表示器の種類や車内案内表示器・自動放送装置の有無など種々の差異が生じている。尚、2000系は元々新宿線向けに投入された車両であり、その為新2000系投入に先立つ先行営業以外では殆ど池袋線では営業運転を行っていない。ただし近年は代走ながら度々池袋線で営業運転を行う事もある。

 2008,01,29 所 沢


■Variation
 後年に車体更新が施された車両は行き先表示器がLED化されている。尚、スカートに関しては全車とも更新と同時に設置されている。2000系の2連は1983年の新宿線8連化推進と同時にできたもので、編成替えで余った制御車に新製の制御電動車を組み合わせたグループと全車新製されたグループの2種類が存在する。1988年製の車両でベンチレーター形状が異なる以外は基本的に大差はない。

 2011,12,24 田 無