デキ200形
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 デキ200形は1963年に登場した電気機関車で、日立製作所で3両が製造された。製造された当時は東京オリンピック前のセメント需要が高まっていた時期であり、秩父鉄道でも1000t級の鉱石貨物列車の運用が計画されていた。重量貨物列車の牽引に際しては既存機の場合引き出し時の空転が予想されたことから、その対策に主眼が置かれた設計がなされている。車体はデキ100形と同様全長12.6mのデッキ付き箱型車体となったが、前照灯は2灯配置となり窓はデキ100形に比べ横長となり、小さいながら庇が取り付けられている。主電動機出力はデキ100形に比べて増強されている他、制御ノッチの段数は31段とデキ100形に比べてほぼ倍の多段制御となった。同形式の最大の特徴はその台車構造で、一般的な枕バネ台車ではなく、L型軸梁式と呼ばれる台車が採用されている。重量貨物牽引時の粘着力確保を主眼に設計されたこの台車は、所定の目的は達したものの、バネ下重量が非常に増大し、台車枠や路面への負担が非常に大きくなるというデメリットを有していた。更に特殊な構造のため保守困難な点もあり、結果的にこの台車は以降の電気機関車には採用されず、デキ200形自体も3両の陣容で終わっている。当初の外装は茶色一色で、後に青地に白帯を巻いた姿に変更されている。また、前照灯も後にシールドビームに変わり、その跡が残っている。このような変遷を経つつ他機に交じって活躍していたが、1996年にデキ201がデキ101の代替でSLパレオエクスプレスの補機に充当されるようになり、塗装が変更された。残る2両は引き続き貨物輸送に従事したが、貨物輸送の減少による機関車の淘汰では台車構造の特殊な本形式が該当となり、2000年に廃車となった。廃車後は逆に貨物需要が増大していた三岐鉄道に転じた。以降はデキ201のみの在籍となり、基本的にSL補機として使用されており、貨物運用には滅多に充当されなくなった。塗装は12系客車に合わせたものとなり、当初はモスグリーン基調の塗装であったが、2012年末以降は赤茶色基調で腰部とデッキ部を金色とした塗装に改められている。なお、三岐鉄道に転じた2両は2010年に廃車されており、結局移籍しなかった1両が生き延びる結果となった。

 2018,05,12 熊 谷