新20系
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 1990年登場。非冷房であった30系と50系を置き換える為に製造された車両である。1984年に登場した20系と同じくVVVFインバーター制御方式を採用した省エネ車両であるが、車体は軽量ステンレス製のものへと変更されただけでなく、前面形状をくの字型としてシャープなデザインとする等それまでの車両とは一線を画すものとなっている。車内は引き続きロングシートであるが、蛍光灯へグローブを設置し、一部は当初より案内表示器を取り付ける等、20系とは内外装とも大きく異なっている。当時多数在籍していた30系・50系を短期間で急速に置き換えるべく大量増備されたため、JR東日本の209系等と同じように製造会社によって一部製造工法が異なる点も特徴的である。新20系は投入線区によって形式が異なっており、例えば御堂筋線(1号線)に投入された車両は21系、谷町線(2号線)に投入された車両は22系という車号の付け方をしている。当初谷町線と四つ橋線、ついで御堂筋線・中央線・千日前線の順に投入され、1998年までに実に560両もの車両が投入されて1990〜2000年代の大阪市交通局を代表する車両へと成長した。このうち千日前線に投入された24系は初の新製投入及び冷房車であるという事で登場当時は大きな話題を呼んだ。尚、大阪港トランスポートシステムの路線を編入した際、同社に所属していたOTS系12両も新20系に編入している。現在も主力車両として各線で活躍が続いており、2010年からは更新工事の施行も開始されている。該当車両はライン形状の変更や制御装置の更新、モケットの交換、未設置車両への案内表示器の設置などがなされており、特に外観上の印象が変わっている。現在は後継の30000系も登場しているが、今後とも最も車両数の多い車両として推移していくことが予想される。尚、25系を皮切りに順次更新工事が施行されており、施行車は制御方式がIGBT-VVVFインバーター制御方式へと更新されている。

 2008,03,12 西中島南方


■Variation
 谷町線に導入された22系はラインカラーであるパープルの帯を巻く。30000系と同様、最も早く同線に導入されている。当初は1996年までに6連19本が配置された後、近鉄けいはんな線の延伸開業に伴う車両転配の影響を受けて、谷町線に在籍していた20系と交換の形で中央線から24系が転属し、同形式に編入されたことで、近年まで6連28本の陣容となっていた。2018年に1本が四つ橋線に転属したため、現在は27本の陣容である。中央線から転属した車両は50番台に区分けされている他、製造当時は大阪港トランスポートシステムOTS系であった車両も同じく転入しており、特筆事項となっている。

 2008,03,15 天王寺
 四つ橋線に導入された23系はラインカラーであるブルーの帯を巻く。谷町線の22系と同様、最も早い時期から投入が開始されている。同線に在籍していた30系を全て置き換え、同線を23系の独擅場とした。初期に投入された車両は5両編成であったが、6両編成へと編成増強するにあたり後に中間車1両を追加導入している。末期に製造された車両は当初から6連で落成しており、現在は6連22本の陣容となっている。尚、最初期に製造された車両のみ、車内案内表示器が取り付けられていない。

 2008,03,12 大国町
 リニューアル工事が施工された23系。新20系では2010年の25系を皮切りに順次リニューアル工事が開始された。リニューアル車は、外観上はホームドア導入を考慮し、上部にもラインカラーが配された他、各車車端部にラインカラーによる縦方向のスリットが配され、その中に号車番号が表示されている点が特徴である。制御方式は従来のGTOからIGBT-VVVFインバーター制御に改められた。内装面では座席がバケットシートとなった他、床材の交換、扉開閉予告灯の新設等が行われた。前述のとおりリニューアル自体は2010年から開始されたが、時期によりリニューアルのメニューが変更されており、2014年以降の施行車は車内案内表示器がLCD化(15インチ)及び車内照明のLED化、2015年以降にリニューアルされた車両は各走行線区に因んだ内装への更新、2017年度以降の施行車は車内案内表示器が大型化(32インチハーフサイズ)、2018年以降の施行車は前照灯がLED化される等、その変化は多岐にわたる。

 2019,05,04 緑木検車場
 中央線に導入された24系は、同線のラインカラーであるグリーンの帯を巻く。同車の投入によって残存していた30系と50系は全て撤退している。当時の近鉄東大阪線への直通を考慮し、抑速ブレーキが付けられている点が特徴的である。1995年までに6連11本が落成した後、2005年にはOTS系6連2本が転入されたため、最盛期は6連13本の陣容となっていた。しかしけいはんな線延伸を控えて谷町線に在籍していた20系と車両の入れ替えを行うことになり、20系と同本数の24系が谷町線へと転属した事から残存は6連4本のみとなり、新20系を導入している線区の中では最も少数派となっている。残存した編成は営業最高速度の引き上げ(95km/h)やそれに伴う高速運転への対応、ワンマン運転対応化等の改造が施行されており、20系と共に活躍している。なお、2014年に四つ橋線から1本が転入したことにより現在は6連5本となっている。

 2008,03,14 朝潮橋
 リニューアルが施された24系。24系のリニューアルは2014年から2016年にかけて全編成に施工された。車内案内表示器は15インチのLCDが新たに設置されている。

 2014,09,16 生 駒
 2014年にリニューアルと共に四つ橋線から転属した編成。かつてOTS系から編入された車両と同じく50番台に改番されている。

 2019,05,04 コスモスクエア
 千日前線待望の新車となった25系。ラインカラーであるチェリーピンクの帯を巻く。同線は30系や50系の最後の活躍場所でもあったが、やはり同形式によって1995年までに全て置き換えている。他の線区の車両が6連以上を組む中本形式だけは4両編成であり、1995年までに17本68両が製造された。ただし閑散線区であるからか車内案内表示器は全編成とも設けられず、2008年になってようやく追加設置が開始されている。尚、千日前線は近い将来ホームドアを導入しワンマン運転を行う事が決まっており、リニューアル工事施工と同時にそれらに向けた対応も行われている。

 2008,03,12 今 里
 リニューアル工事が施工された25系。新20系の中では最も早く、2010年から施工が開始された。前述のとおり施工と同時にワンマン自動運転への対応がなされている点が特徴である。2014年までに全編成でリニューアルが完了し、翌2015年1月よりATOによる自動運転が開始されている。なお、リニューアルが早く完了したこともあり、他線の車両にみられるような内装の大規模なリニューアルは行われていない。

 2014,03,27 南 巽
2021/09/12