キハ30形
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 水島臨海鉄道では、ラッシュ時に使用していたキハ20形の置き換え用に、2012年12月の新車導入に伴い余剰となっていたJR東日本久留里線の車両のうち6両を譲受した。このうち、両運転台の予備車両としての位置づけで導入された車両がキハ30形であり、2両譲受したうちキハ30-100のみ営業運転用車両として整備された(同じく譲渡されたキハ30-98は部品取り用である)。キハ30-100は元々キハ30形0番台のラストナンバーで、相模線を経て久留里線に移籍した経歴を持ち、国鉄〜JR時代は基本的に関東地区で使用されていた。同車は2010年に塗装が落成時と同じクリームとバーミリオンのツートンカラーに塗りかえられており、水島臨海鉄道でもその塗装を引き継ぎ(従来の行き先表示器部分に「水島臨海」と表記したステッカーを貼り付け)、また車番もそのままとなっている。エンジンはJR時代の更新工事でカミンズ製のものに換装されており、その他走行機器類を含め水島臨海鉄道譲渡時には特に大きな更新はなされていない。車内はロングシートとなっており、基本的なレイアウトは変更されていないが、座席モケットの更新や吊り革の換装が行われた他、水島臨海鉄道では、ツーマン運転時に車掌が集札・精算業務を行っており、それに伴い各駅の出入口に最も近い箇所で扉の開閉を行うため、どの位置からでも開閉できるよう、前後扉付近に扉開閉スイッチ及び配線類が増設されている(中扉には設置されていない。)。なお、元々ワンマン運転用装備はなく、水島臨海鉄道でもツーマン運転専用となることからワンマン運転対応機器は追設されていない。更にキハ30形は冷房装置が搭載されておらず、この点は譲渡後も変わりなかった。置き換えるキハ20形には全車冷房化されていたことから、結果として水島臨海鉄道の冷房化率を下げることとなった。キハ30形を含め、水島臨海鉄道に譲渡されたJR東日本車両は2014年5月に営業運転を開始しており、原則として平日朝夕の4往復に使用されているが、このキハ30形のみ非冷房車であることから、基本的には秋・冬の限定使用となる。

 2018,06,15 倉敷貨物ターミナル