6300系
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 1970年から高野線用の両開き車両として製造が開始された6100系は、製造から25年以上経過したことから、1996年より順次更新工事が施されることとなった。更新に際しては、それまで搭載していたパイオニアV台車から、S型ミンデン台車へと換装することとなったが、両台車の混結は脱線事故のリスクが否めず、先に更新された6000系では車番が変更されなかったが故に運用が煩雑になったことを踏まえ、6100系で台車換装された車両については改番が実施されることとなった。これにより、6300系という新たな形式が誕生した。6000系更新時の台車換装では、一部に1000系の発生品が流用された以外、その殆どが新製された台車をあてがっているが、こちらは新製された台車はわずかで、大半は泉北高速鉄道100系(2000年までに全廃)や、7100系1次車(更新されず2003年までに全廃)の廃車発生品が流用された。台車換装により、設計最高速度は120km/hに引き上げられたほか、従前は行えなかった6000系更新車や6200系との併結運転も可能となり、運用の柔軟性が向上している。台車換装のみならず内装の更新も行われており、座席モケットは灰色、化粧板はオフホワイトを基調としたものに改められた(後に座席モケットは8300系に準じた茶系のものに変更されている)。一部の編成では更新に際して6両固定化がなされ、中間に封じられた先頭車については運転台が撤去されている。6300系の改番に際しては、中間に組み込んだ運転台の向きや編成両数、台車の相違による踏面ブレーキの方式(泉北100系が片押し式、南海7100系が両抱き式のブレーキを採用しており、6300系への更新では混用された。ただし、連結器に干渉することから、両抱き式ブレーキは制御車には搭載されない)の違いにより下2桁の車番が分けられている。2001年までに54両が6300系に改められたが、この時点でS形ミンデン台車のストックがなくなったこともあり、一旦台車換装は途絶えた。なお、この時点で台車換装されなかった6100系は、暫定的に6100系のままで車体更新が施されており、そのため車内設備については差はなかった。泉北高速鉄道3000系の廃車が発生した2006年から、同車の台車を転用する形で台車換装及び6300系への改番が再開され、最終的に2009年に全車の6300系化が完了した。現在、高野線に在籍する車両の中では最も両数が多い形式であり、難波口における主力車両として現在も活躍が続く。

 2019,10,05 天下茶屋


■Variation
 6両編成を組む6300系の中でも、全ての車両が片押し式ブレーキを採用している(泉北高速鉄道からの発生品で占められている)編成は、中間に組み込まれた制御車の向きに関わらず前後2両の車番が10番台・60番台に統一されている。大半の車両が2007年以降に6300系に編入されたもので、泉北3000系の発生品を搭載する。

 2019,10,05 浅香山
 2両を組む編成は車番が30番台に統一されている。改造時期を問わず、制御車には両抱き式ブレーキの台車は搭載されていないため、このグループは全て片押し式ブレーキ(主に泉北100系・3000系の発生品)で統一されている。

 2019,10,05 浅香山
2021/02/21