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高野線の山岳区間で従来の特急とは違う新たな観光列車を走らせるにあたり、2200系1編成を種車として改造を施したものであり、「天空」という愛称がつけられた。車体形状は種車のものを堅持しているが、塗装は森林をイメージした緑を基調に、高野山の根本大塔をイメージした朱色の帯が配された姿となった。元々種車は2203-2253という車号がつけられていたが、転用に際し2208-2258と車両番号が変わっているが、これは列車の起終点となる橋本と高野山にあやかって変更されたものである。高野山方の2258号車は後ろの扉が埋められている他、2208号車も扉自体は全て存置されているが、乗務員室付近の扉周辺が展望デッキに改装され、その部分は常時開いた状態になった反面柵が設置されている。本車投入の時点で既に2200系列(旧22000系)は高野線の運用を退いて久しかったが、元々高野線の山岳区間を走行していたことから、走行機器類には大きな更新は施されていない。ただし、「天空」では自由席車両として2000系や2300系を併結して走行することから、連結器が電気連結器に換装されており、2208号車側に貫通幌が取り付けられている。車内は扉間がいずれも同一方向を向いたロングシート(ワンビュー座席と称する)、車端部はボックス基調のクロスシートとなっている。ロングシートの座席が向いている側の窓は3枚窓に交換されており、大きな窓から沿線の雄大な風景を眺めることができる。また、眺望性を向上させるため、後列のロングシート部分は嵩上げされている。前述のとおり、2208号車の乗務員室背後扉付近は展望デッキとなっており、この部分は扉を原則常時開放することで、さながらトロッコ列車のように外気を感じられるスペースとなった。2258号車の後部扉は埋められており、この部分はカウンターテーブルと一畳分の畳が供えられたフリースペースが設けられている。いずれの車両も車内は木目調にまとめられており、車内照明も電球色と温かみのある内装になっている。この「天空」は、2009年4月からプレ運行が開始され、同年7月より本格的な運転が開始された。通常、橋本〜極楽橋間の観光列車に充当されている。なお、本車は乗車券の他に座席指定券が必要だが、通常橋本方に自由席車として2000系または2300系を連結して運用されている。
2014,02,28 極楽橋 |