1200形
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 1982年登場。老朽化した150形の置き換えを目的に導入された車両である。既に2年前にはチョッパ制御を採用した高性能の軽快電車である2000形が製造されていたが、製造面でコストがかかることもあり、当面は同車類似の車体を採用しつつ走行機器類は発生品を流用した車両を製造していくこととなった。このため同車は直接制御方式・釣り掛け駆動という従来通りの機構となっている。車体は2000形のものをベースとしつつ改良が施されており、収容力を高める為に中間扉を両開きの4枚折り戸から片開きの2枚折り戸へと変更した他、車内はロングシートとなっている(2000形はセミクロスシート)。1200形は1982年中にアルナ工機にて5両が落成したが、折しも同車導入の直前である1982年7月には長崎で大規模な水害が発生したため、それに伴う車両不足の最中で大車輪の活躍を見せた。以降は1300形の増備となったため、1200形としてはこの5両の陣容となっている。同形式以降、2000年製の1800形まで長崎電気軌道の新造車両は機器流用車となっており、1200形はその先駆けということができる。2000年以降ステップの改良工事が施された他、2003年以降に機器換装の上で間接制御方式化を行う改造が順次行われている。施行車は西鉄北九州線600形の廃車発生品が流用された他、主幹制御器の換装・主電動機出力の向上など各種改造がなされており、形式も1200A方に改められている(ただし車番の変更は伴わない)。この改造は4両に行われたが、1両のみは改造種車の供給が尽きたことから現在も行われずにいる。製造から30年経った現在も1両の廃車も発生しておらず、主力車両の一つとして活躍している。

 2013,03,15 長崎駅前


■Variation
 銀行の広告車両となっている1201号車。同車のみ間接制御化改造は施されておらず、従来通りの直接制御方式となっている。このため台車形状も他車とは異なっている。

 2013,03,15 長崎駅前
 行き先表示器がフルカラーLEDとなった1205号車。5000形や6000形と同じく4か国語での表記が可能となっている。

 2023,09,23 浦上駅前
2023/11/30