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2020年登場。老朽化が進んだ115系の置き換えを目的に導入された車両である。既存の115系や169系と異なり、本形式はE129系をベースに新製されており、しなの鉄道では初の自社発注新造車となった。E129系と同様総合車両製作所で製造されており、同社が手掛ける次世代ステンレス製車体である「sustina」を採用している。走行機器類もE129系に合わせられており、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となった。しなの鉄道の車両としては初のVVVFインバーター制御車両である。万一の故障時に備え冗長性が確保された他、空転時の再粘着性能も高められている。制動は回生制動を行うが、勾配が連続する区間での回生失効を補う目的等もあり発電ブレーキも備え、そのための抵抗器を屋根上に備える。また、冬季に豪雪地帯となる区間の走行もあることから、耐寒耐雪構造となっている。なお、0.5M方式が採用され、すべての車両が電動車となっている点もE129系と同様である。本形式は通常の普通列車・快速列車に充当される一般仕様車と、通常運用の他座席指定列車への充当が考慮された特別仕様車の2種類が製造されたが、後者である本車は100番台に区分された。「沿線に爽やかな新風を」をコンセプトとし、これまでの車両には見られない青系を全面に押し出した外装となった。排障器、スノープラウまでも青色に塗装されており、その点も特別仕様といえる。前面、側面には金色の帯が配されている他、側面は山並み、清流をイメージした水色と緑のウェーブラインがあしらわれている。またこちらはロゴマークが沿線自治体と太陽をイメージした専用のものとなっている。また、本車独自の装備としてミュージックホーンを備える他、乗降促進音に長野県歌「信濃の国」が採用されている。車内はデュアルシート(モケットは赤系でリンゴのイラストをあしらった)が採用され、有料列車及びその折り返しでは転換クロスシート、その他はロングシートに転換のうえ使用される。クロスシート使用時にはコンセントやカップホルダーが使用可能な他、無料Wi-Fiも備える。車内案内表示器としてLED表示器が扉鴨居部に千鳥配置されている他、115系では閉鎖されていたトイレが標準装備され、軽井沢方車両の車端部に備わっている。なお、ワンマン運転に対応しているが、所謂「都市型ワンマン運転」のため運賃箱の類は設置されていない。SR1系はまずこの100番台3編成が先行して投入され、2020年7月より営業運転を開始した。同時に平日の快速「しなのサンライズ」「しなのサンセット」が169系、189系以来となる有料快速に変更され、新たに休日には軽井沢〜長野・妙高高原間を運転する観光快速「軽井沢リゾート」が新設され、同列車にも充当されることになった。
2020,09,09 長 野 |