|
しなの鉄道では利用促進に伴う沿線の活性化・観光輸送を目的に、独自の観光列車を2014年より走らせることとなった。これが「ろくもん」で、元々しなの鉄道に在籍していた115系のうち、S8編成を種車として水戸岡鋭治氏のデザインのもと、115系のイメージは残しつつも大規模な改造が施されている。「ろくもん」という名前は、しなの鉄道の沿線にある上田市ゆかりの戦国武将真田家の家紋である六文銭が由来となっており、外装は真田家に因んだ「赤備え」をイメージした濃い赤銅色を基調としており、他にも真田家の家紋である「結び雁金」「州浜紋」等が随所にあしらわれたレタリングが施されている。全車とも中間扉は埋められており、跡部分には大型窓が取り付けられている。車内は長野県産の木材を多用している点は共通だが、1両ずつ全く異なった内装となっている。軽井沢方の1号車(クモハ115形)は家族・グループ向け利用を想定し、2人・4人掛けのボックスシートとソファシートを備える。中間扉のあった部分には子供の遊び場として木製の玉を敷き詰めた円形の「木のプール」が設置された。車端部には車販カウンターを設けている。中間の2号車(モハ115形)は、中間のボックス席を除き椅子の方向が一方向に統一されており、1人掛け席・2人掛け席にテーブルが配されている他、車端部にはサロンスペース、バーカウンターも備えられた。長野方の3号車(クハ115形)はボックス席であるが、壁と障子により仕切られるようになっており、実質的個室となっている。車端部にはトイレの他、ショーケースが設けられている。尚、元々S8編成はクハ115形へ試験的にバイオトイレを設置していたが、既存のトイレは撤去の上、車椅子対応の洋式トイレ(真空式)が新たに設置された。「ろくもん」は基本的に快速列車として軽井沢→長野→軽井沢→戸倉と運行し、食事つきプランの場合はそれぞれ異なる内容となっている(基本的に、2・3号車は食事つきプラン専用車両となる)。また近年はクルーズトレインとして、従来は乗り入れることのなかった北しなの線(長野〜妙高高原間)やJR篠ノ井線(篠ノ井〜姨捨・塩尻)にも入線することがあり、活躍の幅を広げている。
2017,08,16 小 諸 |