1990年登場。吉野特急運転25周年を記念し、吉野方面への観光特急用に製造された車両であり「さくらライナー」の愛称をもつ。1988年に製造された21000系「アーバンライナー」の流れを汲むデザインとなっているが全体的に柔和な印象となり、塗装も吉野山に因んだ白基調に緑のグラデーションという他の車両では見られないものとなった。また、アーバンライナーに比べて観光特急としての色彩が強いことから窓が全体的に大型化されており、特に最前部は側扉を設けずに、大型窓と相俟って前面展望がしやすいように設計されている。走行性能は21000系に準じており、21000系同様全電動車として120km/hでの高速運転にも対応している。台車はシュリーレン台車を搭載し、制御方式も抵抗制御方式といずれも21000系から変更されていないが、同車より後に製造された車両ではボルスタレス台車、VVVFインバーター制御方式に改められたため、26000系はこれら機構を最後に採用した特急型車両となっている。車内はさくらの花びらをイメージしたという形状のリクライニングシートが設けられており、乗降扉付近はデッキで仕切られている。デッキなしかつ回転式クロスシートの車両が大半であった従来の吉野特急の車両に比べて、大幅に居住性が改善されている。また製造当初から車内案内表示器を搭載していたが、近鉄では初採用となった。26000系は1990年中に4連2本の8両が製造されており、現在に至るまで吉野特急の花形として活躍している。因みに26000系は基本的に運用が決まっており、2024年のダイヤ改正までは平日朝ラッシュ時には2本を併結した8連運用も存在した。尚、2011年には前頭部への側扉の設置及び展望デッキの新設、喫煙室の増設やバリアフリーへの対応、デラックスカーの新規設置等を伴う大規模なリニューアルがなされており、塗装も桜色を基調としたものに変わっている。 2009,03,18 今 川 |
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