12200系
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 1969年登場。2年前に登場した12000系「スナックカー」の設計を一部変更した汎用特急型車両である。名阪特急でビュッフェ営業を行うための供食施設を「スナックコーナー」と称し、それを備える車両の改良版として「新スナックカー」という愛称がつけられている。当初製造された車両は、12000系と比べてスナックコーナーの面積が拡大されており、その影響で洗面所等の位置が変更されていたが、元々スナックコーナーは利用率が悪く、その事を反映して増備途中からはスナックコーナーは設けられず、更にスナックコーナーが設置されていた編成も1977年以降に撤去されている。制御方式は抵抗制御方式で、基本的な性能は12000系に準ずるが、こちらは将来の120km/h運転に備え、ブレーキの増圧と付随車へのディスクブレーキの設置等がなされている。12200系は各線区の特急の増発に伴い1970年以降も増備が続けられて1970年代における近鉄特急のスタンダードとなり、1976年までに実に168両が製造された(尚、2両は1971年の総谷トンネル事故によって廃車となっており、全車が一堂に会した事はない。)。この両数は一般型車両を含め、近鉄の同一形式としては現在に至るまで最多両数となっている。1985年以降に車体更新が行われた後、後継車の台頭により2000年から廃車が始まっているが、比較的後期に製造された車両には1998年よりB更新工事が施行されており、2010年代後期まで標準軌線の近鉄特急車の中では最古参ながら最も両数の多い存在であった。狭軌である南大阪線・吉野線を除き、線区を問わず主力車両として使用されていたが、80000系の台頭及び喫煙車両の全廃に伴い2021年2月に全定期運用を離脱、同年11月の団臨で営業運転を終了した。尚、38両が団体専用車両へと変わっており、15200系となっている(ただし、15200系同士で車両置き換えが行われている)他、4両が2011年に近畿日本ツーリストのツアー専用車両として再度リニューアルされており、15400系となっている。更に最終増備車の4両は2022年に観光特急として大規模に改造されることになり、19200系と形式変更されている。

 2008,08,06 鶴 橋


2022/07/18