3600形
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 1982年に所謂「青電」として最後まで残っていた2100・210形の置き換え用として登場したオールステンレスカー。AE形で採用されていた下枠交差型パンタグラフ・界磁チョッパ制御方式・ワンハンドルマスコンを京成の通勤型車両で初めて採用しているが、台車は3500形に引き続いてS型ミンデン台車を履いている。前面デザインはそれまでの車両と大幅に変わり、貫通扉に設けられた種別表示も電動幕に改められた。そのデザインは3150形以降の赤電更新車にも採用されており、80年代の京成電鉄の通勤型車両の礎を築いた車両であると言える。1989年までに6連9本の54両が製造されたが、1998年の羽田空港乗り入れに合わせて本線優等運用に充当する編成を確保するために編成替えが行われ、大半の編成が8連化された。その際に余剰となった先頭車6両はVVVFインバーター制御化されて新たに1編成を組成しており特異な存在となっている。2002年から2013年までは1本が芝山鉄道にリースされていたが、現在ではリース車両が3500形に変更されたために京成に復籍している。そのため現在では8連6本、6連1本が在籍しており、8連を組む編成は主に本線特急や都営線直通の快速を中心に使用される。尚、8連編成は先頭車両が電動車ではないため京急線に乗り入れることは出来ず、羽田空港や成田スカイアクセス線に乗り入れる運用には充当されない。3000形及び3100形の台頭に伴い、2017年からは老朽廃車が開始されており、2023年初頭の時点では4連及び6連が各1本という陣容まで減少している。

 2011,09,09 京成高砂


■Variation
 3600形の運番表示器は当初赤電同様に巻き取り式の表示幕であったが、2004年8月までに消滅して3000形と同様のLED表示による運番表示器に換装された。

 2004,04,15 京成高砂★
 余剰となった先頭車6両を組み合わせたVVVFインバーター制御車両。3150形の廃車発生品(MG・CPなど)を一部流用している点が特徴。改造当初は4連を組み金町線にも充当された実績がある。また、3600形では唯一制御電動車が存在しているため京急線に乗り入れることが出来、3000形、3050形、3100形の搬入時には3600形で唯一京急線を自走した。

 2007,05,27 京成高砂
 2017年になり、再び4連に戻った3668F。3000形の増備に伴う玉突きで、最後まで残っていた3500形未更新車である3588Fの置き換えを目的に中間2両を外したものである。4連になったことで金町線にも充当され、再び柴又・金町でもその姿を見ることが出来るようになった。なお、編成を外された3601・3608号車の2両はそのまま廃車解体されている。なお、2017年3月下旬には、3621-3628号車の中間部分にも転落防止用幌が取り付けられている。

 2017,03,05 柴 又
 ワンマン運転に対応した3668F。2022年11月改正から金町線や千原線、東成田線においてワンマン運転が開始されたが、4連を組む同編成も御多分に漏れず対応改造が施されている。この改造と同時にSRデジタル無線機も搭載された。なお、11月改正からしばらくは「ワンマン」標記はステッカーで対応していたが、現在は種別表示器の一部換装にて対応している。

 2022,12,10 京成高砂〜柴 又
 2018年10月になり、6連に短縮された3648F。デジタル無線準備工事に伴う6連の予備車不足を解消するための措置といえ、オリジナルの組成とは異なるもののチョッパ制御車の3600形では実に16年ぶりの6連組成となった。この編成は既に廃車されているが、2019年には3638F、2020年以降は3688Fが新たに6連となっている。

 2018,10,21 京成関屋
 2002年の芝山鉄道開業時より長らく芝山鉄道に貸し出された後、2013年4月より京成車として復帰した3618F。芝山鉄道のロゴマークや会社表記は元の京成電鉄表記に戻り、京成グループマークも再度貼り付けられたが、帯の色は芝山鉄道時代と変わらず赤と緑の2色を維持しており、3600形としては引き続き異彩を放つ編成となっていた。尚、同編成は2013年12月の検査出場で元の帯色に戻されており、「芝山鉄道カラーの京成車」は8か月で見納めとなっている。この編成は3000形の増備に伴い、2017年2月に3600形として初めて廃車されている。

 2013,05,04 京成上野
 帯色が製造当時と同じファイヤーオレンジ一色に変更された3688F。2020年の重要部検査出場にあわせ、登場時と同じ6連に短縮された他、帯色の復元がされた。運番表示器や種別・行き先表示、台車色等の差異はあるが、1993年以来実に27年ぶりの復活となった。2020年8月1日の団臨より運用復帰している。なお、8月16日未明には3600形として初めて成田スカイアクセス線にも入線しており、29日の団臨で営業列車として同線への初入線を果たす。

 2020,08,01 勝田台〜志 津

編成写真


2023/03/20