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3100形は2019年に製造が開始された、京成では3000形以来実に17年ぶりとなるフルモデルチェンジ車両である。本線向けの車両ではなく、成田スカイアクセス線向けの車両が先行して制作された。「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」を設計コンセプトとしており、車体は日車式ブロック工法で3000形に準じた構造となっているものの、前面デザインは刷新されており、成田スカイアクセス線を走行することもあり、絞りを入れた形状や急行灯や尾灯等も含め、総じてスピード感が現れたデザインとなっている。成田スカイアクセス線向けの3150番台は同線のラインカラーがオレンジ色であることから同色を基調とした帯が配され、更に飛行機の模様と沿線ゆかりのイラストがあしらわれている。種別・行き先表示はフルカラーLEDによるもので、とりわけ側面の表示器は3000形に比べ大型化され、駅ナンバリングを併記するようになった他、4か国語での表記に対応している。制御方式には3000形3003Fで試用されたSiC-VVVFインバーター制御方式が京成では初めて本格的に採用されており、通常の3000形と比べても15%の消費電力削減が図られている。車内はオールロングシートで、外装と同じく一般席の座席モケットにもオレンジ色が取り入れられており、従来成田スカイアクセスに用いられていた3050形とは対照的に総じて暖色系の内装となっている。本形式では側扉の車内側に化粧板がつけられているが、側扉の車内側がステンレスむき出しとなっていないのは、1964年製の3200形8M車以来である。座席はハイバック式が採用された他、扉間の座席の一部は折りたたんで荷物置きスペースとしても使用することができる。この他、扉鴨居部の液晶表示器が2基配置となり、セキュリティ向上を目的として車内防犯カメラが新設された他、プラズマクラスターイオン発生装置の追設、車端部への腰当て付きフリースペースの設置、フリーWI-FIサービスの提供など、従来の京成通勤型車両にはない機構、サービスが多数導入されている。3100形のうち50番台は2019年10月のダイヤ改正より営業運転を開始し、専ら成田スカイアクセス線が絡む運用にのみ充当されている(高砂以東の京成本線を走行する定期運用もあるが、回送のため旅客営業は行っていない)。成田スカイアクセス線向けの3150番台は、最終的に8連7本が新造される計画で、玉突きで3050形を京成本線に転用する予定となっている。
2019,11,10 千葉ニュータウン中央 |