1000系
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 1996年登場。従来井の頭線で使用されてきた3000系の置き換えと車両大型化を目指して導入された、井の頭線では実に34年振りの新形式車両である。3000系と同じくステンレス製の車体であるが、1両の長さが3000系より長い20mとなり、4つドアとなった事で乗車定員の向上や乗降の改善が図られている。前面は3000系の面影を残しつつも左側に貫通扉が設けられた左右非対称のデザインとなり、角型ライトの採用等で先進的な印象の車両となったが、3000系の特徴であった鋼製部分へのカラー着色は本車でも引き継がれ、引き続き各編成とも異なる7色の塗装を纏うことになった(尚、3000系が当初FRPであったのに対しこちらは普通鋼となっている)。制御方式には井の頭線の車両として初めてVVVFインバーター制御方式が採用されており、更に定速運転機能も備えている。この他電気警笛やワンハンドルマスコンハンドルも、井の頭線では初の採用となっている。1999年までに製造された車両は内装が8000系に準じたものだが、車椅子スペースも設けられている。また編成によって制御方式が異なっていたことが特徴となっていた。10本が製造された所で製造は一旦途絶え、仕様変更を加えた3次車が2003年に投入された。その後2008年の5次車と更にマイナーチェンジを繰り返し、2010年までに5連29本が出揃って翌年までに3000系を全て置き換えた。尚、2003年以降に製造された車両は10番台、2008年以降に製造された車両は20番台と区別されており、それにより一部番号の欠番が生じている。現在の井の頭線は1000系の独擅場であり、3000系から受け継いだレインボーカラーを身にまとい活躍している。初期編成製造から20年を迎えた2016年よりリニューアル工事が開始されている。

 2007,08,09 高井戸


■Variation
 編成番号を7で割ったあまりが4の編成はライトグリーンに塗装されている。尚、1・2次車は編成によって制御方式が異なっており、奇数編成が東洋製のGTO-VVVFインバータ0制御方式、偶数編成が日立製のIGBT-VVVFインバーター制御方式となっている。これらは機構面のみの違いであり、内装に変化はない。

 2009,02,24 高井戸
 こちらも同じライトグリーンに塗装されているが、こちらは2003年から3000系未修繕車の置き換え用に導入された3次車で、運転台位置が従来車に比べて高くなっている他内装が9000系に準じたものへと変更されており、ドアチャイムや車内案内表示器を製造当初から備えている。また制御方式が東洋製のIGBT-VVVFインバーター制御方式に統一されている。

 2009,02,24 高井戸
 2008年に製造された5次車からは更にマイナーチェンジが施された。前面表示器が運番を除きフルカラーLEDのものとなり、また貫通扉左側を黒塗装とすることで窓と一体感を出している。車体工法が変更されたことで側面からビードがなくなっており、更にUVカットガラスの採用でカーテンが廃され、扉形状も変更されている。車内は当時増備されていた9000系30番台に準じたものとなり、案内表示器には新たにLCDが取り付けられた。また、当初よりATCに対応している。このグループから編成番号を7で割ったあまりが6となる編成の色が新色であるオレンジベージュとなり、2010年までに既存編成もこの色へと揃えられた。

 2012,02,24 東松原
 編成番号を7で割ったあまりが5の編成はバイオレットとなっている。

 2013,11,01 高井戸
 編成番号を7で割った際、割り切れる編成はライトブルーを基調としている。

 2013,05,26 高井戸
 編成番号を7で割ったあまりが2の編成はアイボリーに塗装されている。

 2012,02,24 東松原
 編成番号を7で割ったあまりが1の編成はブルーグリーンに塗装されている。ライトブルーの編成よりも色が薄めになっている。

 2009,02,24 高井戸
 編成番号を7で割ったあまりが6となる編成は当初ベージュ色に塗装されていた。2010年になりオレンジベージュへと改められた為、現在この塗装を纏う編成は存在しない。

 2009,02,24 高井戸
 2012年10月より特別ラッピングが施されている第29編成。前面は白を基調としているが、前面窓下と側面の帯がレインボーカラーとなっている点が最大の特徴で、1編成で7色をあしらった文字通りの特別ラッピングである。また側面には沿線に因んだステッカーも貼り付けられた。車内案内表示器が京王の車両として初めて2基搭載となっているのも特徴で、左側の画面では沿線風景やニュースなどを流すようになっている。当初は1年間の予定ではあったものの、2013年11月現在も変わらない姿で走行しており、見る人の目を楽しませる存在となっている。

 2013,11,01 高井戸
 リニューアル工事の開始された1000系。側扉が複層ガラスを用いたものへ交換されており、外観上の特徴となっている。機器類は一新され、IGBT-VVVFインバーター制御方式に統一された他、主電動機が全閉内扇形のものへと換装されている。併せて付随車1両が電装化され、3M2T編成になると共に電装化された車両は改番されている。車内は従来車とカラースキームが大きく変わり、アジサイをイメージした紫系の内装となっている(優先席モケットはオレンジ)。車内案内表示器はLCDに換装され、ドア開閉ランプや自動放送装置も取り付けられた。今後2018年度までに2次車までの10本でリニューアルが行われる。リニューアル工事開始前の2015年までに全編成の行き先表示器がフルカラーLED化されている。

 2018,03,03 高井戸