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8000系は1989年の鴨東線開業に合わせて製造が開始された、初代3000系の後継となる特急型車両である。同時期に新造された7000系と同じくアルミ合金製の車体を採用し、3000系に見られた袖絞りがなくなり直線基調のデザインとなったが、大型連続窓を採用する等特急用車両としては大幅なイメージチェンジが施されている。前面の中央に貫通扉が設けられ、窓下に鳩を模した特急マークが表示できるようになっているが、8000系ではこれが電動幕となり、特急以外の運用に就く場合は非表示となる。当初は3000系の編成増強用としても使用されることから、3000系と互換性のある主電動機が採用された他、同じく界磁位相制御方式を採用しており、定速制御機能も備えている。尚、編成単位で新造された車両は主幹制御器に京阪で初めてワンハンドルマスコンハンドルが採用され、これによりツーハンドルマスコンであった3000系よりも容易に定速運転が行えるようになっている。また、3000系では回生制動でのみ作動した回生制動は、空制作動時にも機能するようになっている。当初の車内はオール転換クロスシートで、車端部も含めて転換可能であった他、自動一斉転換機能も備えた。従来からの伝統であるテレビカーも1両連結された他、遮光幕は大型窓を採用したことから横引カーテンとなり、当初は車端部に公衆電話も備えていた。増備の途中からは車椅子スペースも新設される等、3000系を凌駕するサービスレベルを有し他社の特急料金を不要とする特急車両と比べても非常に高水準の車両となった。8000系はまず7連1本と3000系の7連化に向けて中間車5両が投入され、中間車は3000系に組み込まれてそれぞれ営業運転を開始した。当初の位置付けは鴨東線開業の増発用であったが、18年ぶりの新型特急車両は好評をもって迎えられたことから8000系を増備して3000系を順次置き換えていく方針となった。これにより、3000系の中間に連結されていた車両も増備された8000系と編成を組むことになり、1993年に7連10本が製造された。これにより3000系は9両を残して全車廃車されており、8000系は名実ともに京阪のフラッグシップとなった。因みに増備車では廃車された3000系の機器が一部流用されている。その後残った3000系は1995年に改修を施されることになり、それと共にダブルデッカー車（既存車の改造）を新たに導入したところ好評を博したことから8000系にも1997年以降順次ダブルデッカー車が連結されることになり、1998年までに完了した。これにより8000系は8連10本の陣容となっている。尚、8000系のダブルデッカー車は新造車体だが、他の車両とは異なり普通鋼で製造されている。2008年には1本のみ残存していた3000系が30番台として8000系に編入されたが、2013年に引退しているため現在は再び基本番台の80両が在籍しており、登場から20余年経った現在も京阪のフラッグシップとして活躍している。尚、2008年からは現行塗装への塗装変更、2010年からはリニューアル工事が施工されており、登場時とは印象が大きく変わっている。 2008,08,05 野 江 |
