キハ300形・350形
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 1987年登場。通勤通学輸送の需要増に対応すべく、雑多な気動車群を置き換え車種統一を図る為に、筑波鉄道・国鉄清算事業団及びJR各社よりキハ35系を譲り受けた車両である。両運転台のキハ30形・片運転台のキハ35・36形がそれぞれ譲渡されているが、前者はキハ300形、後者はキハ350形という形式が付けられた。譲渡に際しては、ドアの半自動スイッチやトイレの撤去及びステップの埋め込みが行われている。また当初は全車非冷房で竣工したが1989年以降大半の車両が冷房化されており、更に1993年以降はエンジンが換装されて出力が増強している他乗降扉もステンレス製のものへと交換されている。最盛期にはキハ300形が16両、キハ350形が23両在籍し、キハ310形より前の車両をほぼ一掃したが、同車自体も老朽化が進んでおりキハ2100形が製造されると老朽廃車が始まった。尚、1992年の衝突事故により先んじて2両が廃車となっている。以降後継車の登場と共に廃車が進み、1996年にキハ100形に改造された2両を除くと2011年10月を以て全車が定期運用を終了している。以降も長らく水海道車両基地に姿を留めている車両は多く、イベント等で展示されることもあったが、現在はキハ301を除いてすべてフィリピン国鉄に譲渡されている。

 2005,09,18 小 絹〜水海道★


■Variation
 両運転台のキハ30形が種車となっているキハ300形。キハ100形に改造された車両を除き、既に運用を退いている。前面強化改造を施されていない車両は比較的すっきりとした前面となっている。

 2005,09,18 水海道車両基地★
 キハ300形のトップナンバーキハ301号車。同車は国鉄廃車後に筑波鉄道に譲渡されたが、1987年の同線廃止に伴って常総線に再度移籍した経歴を持つ。筑波鉄道在籍時は方向幕が塞がれており関鉄譲渡後もしばらくはそのままであったが、後に他車と同じように再設置されている。廃車後も現在に至るまで水海道車両基地に姿を留めており、筑波鉄道に在籍した最後の車両として貴重な存在である。

 2012,11,10 水海道車両基地
 一世代前の関東鉄道標準色に塗られた車両。クリームとオレンジのツートンカラーはキハ35系登場当時の塗装を彷彿とさせる。尚、現在もJR久留里線に在籍するキハ30形はその塗装へと改められている。

 2012,11,10 水海道車両基地
 映画の撮影に合わせ、2006年にスカイブルー一色に塗られた車両。4両のうちキハ3518・3519号車の2両は映画撮影後もそのままの塗装で運用された。通勤型電車でお馴染みの塗装ではあるが気動車には塗装前例がなく、異色の存在となっていた。長らくその姿を留めており、特徴ある姿を見る事が出来た。

 2012,11,10 水海道車両基地

2016/11/03