3000V形
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 3000V形は2016年に登場した3000系列の増備車両である。形式の「V」は3000形の5次車に相当する車両であることに因み、ローマ数字からとられている。当初導入された車両は日本車輌で製造されており、それまで製造されていた車両と同様ブロック工法を用いた軽量ステンレス製車体となっており、車体形状も準じているが、ライト形状の変更により精悍な印象となった。側面の帯は既存車同様の濃淡ブルーに加え、ホームドア越しでも視認できるよう、扉横にヨットの帆を模したグラデーションが施された。その上部にはカモメのイラストが入れられ、「ホーム柵上をヨットが走る」イメージを具現化している。行き先表示器についてはフルカラーLEDのものが採用され、快速運転開始後に製造されていることから大型化もなされている。制御方式は横浜市交通局では初めてSiC-VVVFインバーター制御方式が採用された。補助電源装置にもSiCを用いた静止型インバーターが採用されており、いずれも故障時における冗長性を確保した設計となった。なお、本形式はホームドア・ワンマン運転を導入してから初の新形式車両であり、ホームドア監視用モニターの位置変更など機器配置が既存車両と比べて変更されている箇所が多い。台車はボルスタレス台車だが、先頭車の一部台車にはPQモニタリング台車が採用されており、営業運転を行いながら線路状態のモニタリングが行えるようになった。車内はオールロングシートで、化粧板を白、座席モケットと床(優先席部分以外)を青系とすることで、港町横浜のイメージを取り入れ、清涼感のある内装に仕上げている。袖仕切りは大型ガラス製で模様が入れられている他、妻引き戸には横浜にまつわるイラストが入れられている。扉鴨居部の車内案内表示器は、ブルーラインの車両では初めて液晶表示器が導入され、いずれも2画面となった。室内灯は全てLED灯で統一され、この点でも省エネ化が図られている。この3000V形は2017年4月に営業運転を開始した。3000V形はは3000A形や3000N形の更新に際しての予備車確保の目的で導入された車両ではあるが、その後3000A形については車体更新ではなく新造車で置き換えることになった。その際の増備も考えられたが、実際の増備車は日本車輌製ではなく川崎重工製となり、仕様変更が多かったことから新形式の4000形に分けられたことで、本形式は1本のみの陣容のまま推移している。

 2018,03,13 上永谷


2023/03/23