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2020年登場。四半世紀以上に渡り使用されてきた横須賀線・総武快速線用E217系の置き換えを目的に製造されたグループで、E235系としては初の近郊型仕様車両である。前面は0番台と同様のデザインながら、走行線区にあわせて縁取りは青色となっており、窓下は青色とクリーム色のグラデーションとなっている。帯色は青とクリームの2色が配されており、0番台と異なり既存車と同様横向きに配されている。扉部分には帯が貼られていないが、上部の帯はE217系よりも幅が拡大している。編成形態はE217系と同様、2階建てグリーン車を2両連結した基本編成が11連、付属編成が4連となっており、15連で運転する場合は久里浜寄りに付属編成を連結する(E217系との併結は考慮されていない)。基本編成は電動車比率がE217系より向上し、6M5T(15連時は8M7T)となった。フルSiC-VVVFインバーター制御装置やINTEROSといった0番台で採用された機軸については本番台でも引き続き採用されている。この他、分割併合の容易化を図るため、先頭車には2段式の電気連結器が搭載された他、異常発生時等で駅間に停車した際に近隣の駅などに自走できるよう、非常走行用の電源装置をJR東日本の車両で初めて搭載した。この装置の搭載により、搭載されている車両では従来床下に艤装されている空気ダメが屋根上に設置されている。更に0番台と異なり長時間停車等を考慮し全車に扉開閉用押しボタンが取り付けられ、半自動扉扱いに対応した。なお、起動加速度はE217系に合わせられており、0番台よりも低い設定となっている。車内は普通車については全車オールロングシートとなり、混雑に配慮した格好になった。0番台の特徴であったデジタルサイネージやフリースペースは本番台にも搭載されているが、袖仕切りの形状やモケットは0番台と異なるものが採用されている他、扉鴨居部の車内案内表示器も21インチサイズに拡大されている。トイレは全て車いす対応の洋式トイレに統一されたが、トイレ位置は基本編成の1・6号車、付属編成の増1号車とE217系とは変更されている。グリーン車は妻面の壁が黒基調となり、座席間に赤いカーペットが敷かれたこともあり、既存のグリーン車に比べて高級感が増している(階下、階上、平屋とも同じ色調となった)。車内案内表示器は普通車同様21インチのLCDになった他、各座席に電源用コンセントを備え、更に無料Wi-Fiも完備するなど、それまでの普通列車用グリーン車に比べてサービスレベルが向上している。1000番台は2020年12月より営業運転を開始している。最終的には11連51本、4連46本の陣容になる予定で、E217系を順次置き換えていく。
2021,07,06 西船橋 |