2007年登場。キヤE991形で試用されたシステムの実用化とキハE130系以上の環境負荷軽減を目指してJR東日本が開発した、世界でも初となるハイブリッドシステムを採用した営業用の鉄道車両である。キハE130系と同等の軽量ステンレス車体となり、拡幅車体が採用されている点は同一であるが、こちらは片開きの1両2扉となり、側面には青を基調とし、「HYBRID TRAIN」と書かれた表記があるなど差異が生じている。また前面も若干丸みを帯びたデザインへと変更されている。前述の通りこの車両はハイブリッドシステムを採用したことが最大の特徴であるが、このシステムは、発車時には蓄電池にためた電気で加速し、30km/hを過ぎた時点でエンジンを併用。力行では蓄電池からの電力とエンジンで発電した電力の双方を用い、減速・停止時には再度エンジンを停止して回生制動を効かせ、発生した電力を蓄電池に貯めて再度加速する際にその電気を用いるというものであり、蓄電池にはリチウムイオン電池が用いられている。電気エネルギーによる制御方式はコンバータ制御・IGBT-VVVFインバーター制御方式となり、このため加速音等は他のVVVFインバーター制御車両と大差はない。更にディーゼルエンジン自体も窒素酸化物を従来車と比べて半減以上の削減を実現する等、搭載されている機器に関しても環境への配慮がなされている。世界でも初めて実用化されたこのシステムは高く評価され、2008年のローレル賞を受賞している。車内はキハE130形に準じており、4人掛けと2人掛けのボックスシートにロングシートを組み合わせたセミクロスシートとなっており車椅子対応トイレや車椅子スペースも完備されている。また交通バリアフリー化に則り低床化によるステップの高さ軽減もなされている。この車両独自の装備としては液晶画面があり、ハイブリッドシステムの稼働状況が一目でわかるようになっている。全3両が製造され、小海線にて営業運転を行いながら試験を重ねることとなった。試験自体は2009年に終了しており、この試験の結果HB-E300系が製造されている。現在は2両編成を組んで営業運転に就くことが多く、更にHB-E300系とは併結運転が可能となっており試運転ながらその実績もある。 2008,09,07 野辺山 |