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2010年登場。将来の他線区転属を視野に入れつつ、武豊線の輸送力増強用に製造された車両で、JR東海では17年ぶりとなる新形式の一般型気動車である。それまでに製造されていたキハ75形は311系をベースとしつつも独自色の強い車両ではあったが、こちらは設計を当時製造が続いていた313系と共通化させたことが最大の特徴となっており、それ故外観は313系と殆ど見分けがつかないものとなっている。313系と比べると、こちらは貫通扉上に前照灯がなく、スカートがスノープラウとの一体型となっている点、車端部妻面から排気筒が伸びている点等が外観上の違いである。同車はキハ25形0番台とキハ25形100番台の2両で構成されており、車内は転換クロスシート基調である点は同一であるが、0番台は車端部に車いす対応のトイレ・車いすスペースが設置されているのに対し100番台の車端部はロングシートとなっている。これら内装は全て313系と殆ど同一であり、扉上部の車内案内表示器も同じものが採用されている。尚、ワンマン運転にも対応しており、運転台後部には運賃箱や運賃表示器も備え、全ての扉には押しボタンも搭載されている。因みに当初走行していた東海道線と武豊線では全てホームの嵩上げがなされていることから扉部にはステップはないが、将来の転用を見越してステップを増設できる構造となっている。機関出力は520PSとキハ75形に比べて増強しているが、キハ75形が2基搭載であるのに対しこちらは1基のみの搭載であり、同車と比べて加速性能がやや劣っている他最高速度も110km/hに抑えられている。ただし耐雪ブレーキも備えることで寒冷線区での走行にも対応している。キハ25形のうち0番台は2連5本の10両が製造され、2011年3月から武豊線及び東海道線(名古屋〜大府間)で営業運転を開始した。同車運用開始により捻出されたキハ75形は快速「みえ」の増結用に転用されている。その後武豊線は2015年3月に電化され、0番台は全車美濃太田に転出した。転出に際してはステップの増設及び側扉の交換がなされている他、転出後に排気管カバーの増設やホイッスルの移設など後天的な改造が施されている。現在は高山本線岐阜〜猪谷間及び太多線で使用されており、同線に直接新製投入された1000番台とは基本的に共通の運用に就く。
2012,12,05 大 府 |