キハ200形
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キハ200系:キハ200形・キハ220形1100・1500番台キハ220形200番台
 1991年登場。篠栗線、筑豊本線におけるサービス・スピードの向上を目的に開発された、JR九州では初となる一般型気動車であり、キハ66系の実質的な後継車両といえる。車体は普通鋼製で、20m級車体の片運転台構造となっている。側扉は近郊型電車と同様両開き扉が片側3か所に配置されており、扉間は大型の二連窓が配されている。車体デザインはドーンデザイン研究所によるもので、赤一色を基本に扉部分を銀色に塗装したものとなっている。本形式の特徴として、変速機にJR総研とJR九州が共同開発した「爪クラッチ」を採用した点が挙げられる。従来の液体変速機と比べて動力の伝達効率の改善が果たされ、高出力機関(DMF13HZA…出力450PS)の採用もあり、平坦線では415系電車並みの加速度に加え最高時速110km/hでの高速運転を行える他、山岳線区においても加速時の応答性が向上し、総じて既存車両と比べて大幅な走行性能の改善が図られている。制動は電気指令式ブレーキとしてこちらも応答性を向上させているが、このため既存車両やキハ125形との併結は行えない。車内は後述の500番台、1500番台を除いて基本的にオール転換クロスシートとなり、既に製造されていた811系に合わせたものとなっている。また、排気管を車端部に配することにより、気動車にありがちな配管によるデッドスペースをなくし、全体的に一般的な電車と遜色ない広さを確保している。キハ200形は1991年3月のダイヤ改正から営業運転を開始し、前述のとおり篠栗線・筑豊本線の列車に投入され、特に本系列を用いた快速は「赤い快速」と称された。新機軸の採用に加え外観、内装も評価された本形式は、1992年にローレル賞を受賞している。その後1992年には指宿枕崎線、1994年には長崎地区、1997年には熊本地区にも投入されたが、指宿枕崎線及び長崎地区に投入された車両はいずれも独自塗装が施された。なお、当初に投入された車両はトイレ付きの車両が0番台、トイレなしの車両が1000番台に区分される。1997年には豊肥本線熊本口にも投入されたが、ここで投入された車両からは製造当初よりワンマン運転に対応しており、番台も100番台・1100番台と区分されている(0・1000番台も後にワンマン化対応がなされた)。更に同年には香椎線にも投入されたが、香椎線用の車両は路線状況に応じて車内がオールロングシート、トイレなしとなり、500番台・1500番台と区分された。最初に投入された篠栗線・筑豊本線からは2001年の同線電化開業時、香椎線からは2003年のダイヤ改正時に撤退しており、キハ58形等の置き換えや輸送改善を目的として各地区に転属した。なお、トイレを有さなかった500番台、1500番台は後にトイレが新設された他、2014年以降には0番台をロングシート化した550番台、1550番台という派生形式も生じている。前述のとおり福岡県内の定期運用からは撤退したものの、福岡以外の各県では一部の線区を除き非電化路線の主力車両として使用されている。

 2013,03,20 日 田


■Variation
 指宿枕崎線に配置されているキハ200形は黄色地を基調に扉が銀色に塗装され、随所にロゴマークが配されたものとなっている。元々は赤系塗装であったが、1995年以降この塗装への変更がなされている。新製配置された0・1000番台、事故廃車補充の5000番台の他、香椎線から転属した500・1500番台も在籍している。

 2014,08,03 指 宿
 長崎地区に投入されたキハ200形の大半は、青地を基調に側扉が赤く塗装され、「シーサイドライナー」の文字やロゴが随所に配されている。この車両は0・1000番台にロングシート化を施した550・1550番台で、長崎には1本のみ配置され基本的には普通列車を中心に使用されている(残りの2本は鹿児島に配置され指宿枕崎線で使用されている)。

 2019,03,09 長 崎
 大村線沿線のハウステンボスに因んだ専用カラーに塗り替えられたキハ200形。白、オレンジ、黒という従来のキハ200系とは異なるカラーリングとなっている。キハ66系に次ぎ、2011年に2両がこの塗装に塗り替えられた。

 2019,03,09 長 崎
2020/05/04