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1989年登場。乗降に難があり老朽化が進行化していた451系および453系を置き換えるために製造された車両で、JR東日本では初となる交流専用車両である。当時製造されていた211系に準じた軽量ステンレス製車体であり、基本的なデザインも同車に準じている。ただし側面の行き先表示にLEDを採用している他、車内は集団見合い式のクロスシートを基調としたセミクロスシートであり、他の車両とは異なる内装になっている。寒冷地での使用に伴い半自動スイッチや風除け、低床ホーム用のステップも設けられている。制御装置はサイリスタ位相制御が採用されており、回生制動も併用されていることから省エネにも優れる。また、急勾配線区も走行する事から抑速ブレーキや耐雪ブレーキも装備されている。719系は2両で1編成を組むが、電動車は1両のみとなっている。即ちユニット方式ではなく1M方式となっているが、Tc車にコンプレッサーを搭載している為単独での走行はできない。尚、製造コストを抑えるために、台車やパンタグラフ、一部電装品は廃車発生品が流用されている。2連42本が製造され、増解結が容易にできるよう自動連結器を装備する事から閑散時の2連からラッシュ時の6連までフレキシブルに編成を変えることができ、多彩な編成を組みながら東北本線と仙山線を中心に活躍している。尚、2007年以降は磐越西線にも転用され、同線でも主力車両として活躍している。登場から四半世紀以上が経過し、かつ一部機器を流用していたことで主に下回りの老朽化が進んでいることから、2016年以降E721系の増備に伴い順次置き換えられていくこととなった。置き換えの最中、2017年に2編成が帯色変更のうえ秋田車両センターに転属し、一部の普通列車に充当されたが2019年に運用を離脱した。最後まで本番台が残存したのは常磐線の原ノ町〜浪江間で、送り込みを兼ねて仙台〜原ノ町間の運用もあったが2020年3月の常磐線全復旧にあわせE531系に置き換えられ、「フルーティア」用の700番台に改造された1本を除き全て運用を離脱した。なお、1本はかつての417系同様訓練用機械に転用されており、その姿をとどめている。
2007,03,25 名 取 |