185系200番台
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185系0番台・200番台
 1981年登場。高崎線、上越線等で用いられていた新前橋電車区の165系の置き換えと、翌1982年に大宮以北が暫定開業する東北・上越新幹線と都心を結ぶアクセス列車に充当する目的で製造されたグループである。田町電車区に配置された0番台をベースとしているが、こちらはより耐寒耐雪構造が強化されている。外板の厚さが0番台に比べて5o厚くなった他、前面のタイフォンは一面耐雪カバーに覆われており、外観上の違いとなっている。また、当時存在した信越本線の碓氷峠区間の通過にも対応し、空気バネの脱気装置を搭載し、EF63形との併結にも対応した。編成は0番台が10連と5連であったのに対し、こちらは全て4M3Tの7連で統一されており、全編成にグリーン車サロ185形が連結されている(このサロ185形は前述の脱気装置搭載の影響で、0番台にはないCPを搭載している)。外装は当初0番台で採用されたストライプ塗装ではなく、クリーム10号地に緑14号の横帯が配されたものとなり、新幹線連絡列車としての意味合いを帯びている。車内は概ね0番台と変わらず、普通車は転換クロスシートが採用されており、グリーン車も含めて窓の開閉が可能となっている。200番台は前述のとおり新前橋電車区に配置され、165系が充当されていた一部の急行と普通列車で営業運転を開始した。子の運用は165系と共通で、165系との併結も行われていた。1982年6月の東北新幹線開業からは、上野〜大宮間で「新幹線リレー号」にも用いられるようになった。同年までに200番台は7連16本の112両の陣容となり、上越新幹線開業後は増発した「新幹線リレー号」の他高崎線系統の特急にも用いられるなど活躍の幅を広げていった。1985年の新幹線上野延伸に伴い「新幹線リレー号」は廃止され、一部は田町電車区に転属したが、同時に東北本線・高崎線において急行の特急格上げがなされ、新前橋残存車は新たに設定された「新特急」に充当されるようになった。ただし東北本線系統の新特急「なすの」は民営化後早々に本数削減がなされたことから、その時点で田町電車区に転属した編成も存在する。1990年以降は長らくの間新前橋に7連9本、田町に7連7本の配置となった。なお、田町転属車は転属前後に0番台と同じ緑ストライプ塗装に改められている。1995年以降、新前橋所属車を皮切りにリニューアルが開始され、普通車の座席がリクライニングシートとなるなどの改良が施された。併せて外装が上毛三山をイメージしたブロックパターンの塗装へと改められ、イメージを一新した。1999年からは田町所属車も0番台と同等のリニューアルが施され、2002年までに全車両のリニューアルが完了した。200番台は新前橋・田町の双方に配置されていたこともあり運用範囲は0番台よりも広く、特急「新雪」や「谷川」「水上」の延長運転等で新潟県まで入線していた他、1997年までは信越本線の碓氷峠区間を通過し、長野県まで定期運用を有していた。1994年からの一時期は新前橋所属の2編成が「フルフル」と称される専用塗装となり、「シュプール号」を中心に用いられた。また、田町所属車の一部にはATCが取り付けられ、1996年から2019年まで京浜東北線の横浜を発着する臨時特急「はまかいじ」にも充当された。かつては特急「草津」と「水上」の併結列車や特急「あかぎ」で2編成併結の14両での運転も見ることができたが、「水上」の臨時列車化や「あかぎ」への651系投入により見られなくなっている。2006年には新前橋所属車が大宮総合車両センターに、2013年には田町所属車も含めて大宮総合車両センターに転属し、以降は全編成大宮に集約されたが、併せて編成の向きが統一されたのみならず同年より廃車を伴う編成替えがなされ、グリーン車を抜いた6両や4両の編成も生じるようになった。これら編成を短縮した編成は、快速「ムーンライトながら」にも用いられる等更に活躍範囲を広げたが、他方651系の転入により高崎・吾妻線系統の特急から順次撤退するなど、縮小傾向もみられるようになった。現在は編成単位での廃車も進んでおり、定期運用は特急「踊り子」と「湘南ライナー」のみとなっているが、これも2021年3月のダイヤ改正で撤退することから、以降は波動用のみの在籍となる。

 2012,12,11 大 宮


■Variation
 かつて185系と同系統の特急で用いられていた157系と同色に塗装変更されたOM08編成。正面の塗分けも157系に準じている。2012年3月の臨時特急「上州踊り子」よりこの姿で運用を開始した。以降凡そ3年間この姿で運用された後、緑ストライプ塗装に変更された。

 2012,08,02 大 宮
 2010年の「草津」呼称50周年を記念し、かつて「草津」に充当されていた80系電車と同色に変更されたOM03編成。単なる湘南色ではなく、正面は80系電車と同じく所謂「金太郎塗り」とされた。また、グリーン車には緑色の帯が配されていた。こちらも凡そ3年間同色で運用された後、グリーン車を除き旧田町区リニューアル車と同色に塗装変更された。グリーン車は編成から外され、そのまま廃車されている。なお、この編成は2013年中に集電装置がシングルアームパンタグラフに換装されており、185系では唯一の事例となっている。

 2013,02,09 上 野
 田町車両センターに配置されていたB編成。新幹線リレー号廃止前後に「踊り子」で用いられていた183系の置き換え等を目的に7本が新前橋電車区から転属し、そのまま同所の185系の一翼を占めた。このうち3編成は京浜東北線での走行に対応しATC装置が取り付けられ、機器類搭載のため窓が一つ分埋められている。特急「踊り子」の他、1996年からは前述のATC対応編成を用いて特急「はまかいじ」にも充当された。1999年以降のリニューアルで、他の田町車両センター所属の185系と同じく湘南色に準じたブロックパターンの塗装に改められたが、2012年以降はストライプ塗装に塗り替えられ、この姿は見られなくなっている。

 2014,06,15 蘇 我
 緑ストライプ塗装を纏う185系200番台。2014年以降、新前橋から直接大宮に転属した車両も含めて塗り替えが進み、最終的に全てこの塗装で統一された。

 2018,04,21 熱 海
2021/01/11