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1972年登場。房総各線の電化開業及び総武快速線の完成に伴い房総方面への特急列車を新設するにあたり、比較的短距離の走行を主眼として製造された直流特急型車両である。同時期に製造が続いていた485系200番台と類似した車体を持つが、乗降扉がグリーン車を除いて1両に2か所となり乗り降りが従来よりスムーズに行えるようになっている他、地下線を走行する事からA-A基準となり、嵩上げされたホームを有す路線での使用を前提としたためステップは設けられずに床面高さが低くなるなど投入路線に合わせた反映がなされている。また東京〜錦糸町間では保安装置にATCを採用しているが、これにも製造当初から対応している。尚、食堂車に関しては当初から計画されておらず、これは当時の特急型車両としては極めて異例であったが、2扉車体と共に後に製造される特急型車両への指針となっていると言えよう。因みにオリジナルの183系ではこの0番台のみ貫通扉が設けられているが、これは当初併結運用が計画された事の名残というべきものであり、実際には殆ど使用されていない。0番台は房総方面への使用を前提としたが、上信越方面への使用へも対応した設計となっており、耐寒・耐雪構造はもちろん碓氷峠も通過できるようになっているため直流区間では全てにおいて運用できるようになっている。普通車車内は初めて簡易リクライニングシートが採用され、従来の車両に比べてサービスが向上しており、また全車とも汚物処理装置を備えている点も当時としては評価すべき点である。0番台は1972年7月より特急「さざなみ」「わかしお」として営業運転を開始し、従来とは違う特急列車の在り方を見出した点が評価されて翌年にはブルーリボン賞を受賞している。その後は中央線の「あずさ」や上越線の「新雪」など各線の特急列車にも使用される事となり一躍特急型車両の主力車となった。1975年までに172両が製造され(うち1両は事故廃車)、その殆どが幕張電車区に在籍して活躍した。グリーン車の一部が113系へ編入された以外では1993年より廃車が始まり、2005年12月には全ての定期運転が終了。2007年までに全車両が廃車された。
2005,04,06 成 東★ |