1521系
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 1995年にラッシュ時輸送用として登場した、元南海電鉄の1521系である。南海1521系は1959年以降に製造された全長20m級の通勤型車両で、旧型車両の電装品を流用したことから釣り掛け駆動方式ではあったが、空気バネ台車を搭載した全金属製車両であり、以降の車両の礎を築いた車両といえる。1973年の昇圧後も残ったが、以降は支線での活躍に甘んじ、1995年までに南海から姿を消した。弘南鉄道では初の20m4扉車両で、釣り掛け駆動方式ではあるが空気バネ台車を履いていたためにパイオニア台車を履いている7000系よりも乗り心地の面では優れていた。譲渡に際し白帯の追加などがなされた以外はほぼ原型を維持している。弘南線に6両、大鰐線に2両が譲渡されたが、うち2両は両運転台車両で車庫における入れ替え用に使用された(入れ替え用車両は白帯が巻かれていない)。登場後しばらくはラッシュ時に使用されたが、4扉では寒気対策に難点があること、乗客減から7000系でもラッシュ輸送が賄える状態となったこと、もともとの機器が古く老朽化が進んでいたことなどから早々に定期運用を外れ、ねぷた祭りなどで臨時に走る程度になった。しかし2004年以降は全く稼動しておらず、大鰐線に所属していた車両は2006年に、弘南線に所属していた車両は2008年にそれぞれ廃車解体され、形式消滅した。

 2007,09,06 平 賀


■Variation
 編成全景。晩年、弘南線の車両はこのように2本連結されたまま平賀駅構内に留置されていた。尚、2006年までは1本が黒石駅構内に留置されていた。

 2007,09,06 平 賀