T1000形
トップページ鉄道写真図鑑豊橋鉄道>T1000形
 2008年登場。豊橋路面電車活性計画の一環として投入された初の超低床連接車両であり「ほっトラム」の愛称をもつ。それまで名鉄や東京都交通局など他社からの譲渡車両で占められていた東田線の車両としては、実に83年ぶりとなる自社発注の車両である。車体は3連接2台車型で、アルナ車両を中心に開発された「リトルダンサー」と呼ばれる車両の一つである。中間にフローティング車体を挟んだその構造は長崎電軌の3000形と似ているが、こちらは狭軌仕様となっている。また、ブレーキ方式が電動バネブレーキから空気ブレーキへと変更されており、このことからカテゴリは長崎電軌3000形の「タイプU」ではなく、「タイプUa」という派生形となった。尚、この車両は純国産の狭軌連接車両としては初めて超低床構造を実現させた車両となっており、狭軌車両ではあるが連結面を含めて車内の通路幅は820mmが確保されており、低床構造と相まってバリアフリー・ユニバーサルデザインにも適応している。同車以降、狭軌の超低床車は富山地方鉄道や札幌市交通局にも導入されており、T1000形はその嚆矢ともいうべき重要な存在となっている。T1000形は2008年12月より営業運転を始めており、限定運用ではあるが豊橋における新しい路面電車の顔となった。現在も1編成の陣容ではあるが、東田線のフラッグシップとして活躍している尚、車両の構造上同車は井原〜運動公園前間の急カーブが曲がれないため、同じ低床車のモ800形同様に駅前〜赤岩口間の運用のみに就く(ただしモ800形は2018年に改造工事が施されることにより井原〜運動公園前にも入線可能となっている)。

 2009,03,21 新 川


2020/02/24