330形
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 2015年登場。2008年に開業した日暮里・舎人ライナーでは、ダイヤ改正の度に本数増がなされるほど輸送力が増していった。以前は300形の増備で賄われていたが、更に輸送力の高い車両を導入する目的によって三菱重工にて製造された車両がこの330形で、開業以来初の新形式車両となる。同じく三菱重工で製造され、ゆりかもめに導入された7300系に準じたダブルスキンアルミ製の車で、1両当たりの自重は300形より約1.5t軽量化されている。外観は前述のゆりかもめ7300系に類似しているが、こちらは袖が絞られておらず、先頭部分の側面には東京都交通局及び日暮里・舎人ライナーのシンボルカラーであるグリーンとマゼンタで塗装されている点が特徴となっている。尚、側扉は日暮里・舎人ライナーの車両としては初めて両開き扉となった。制御方式は300形と同じくIGBT-VVVFインバーターを用いたCI制御方式が採用されている。従来の300形は重量の関係で詰め込みの最もきくオールロングシートとできずセミクロスシートとなっていたが、こちらは車両軽量化によってオールロングシート(乗務員スペース部分は除く)の内装を実現し、300形に比べておよそ1割乗車人員が増加している。座席には三菱重工が開発したハイバックシート「G-Fit」が採用され、着席マナー・座り心地の向上が図られている。この座席も前述のシンボルカラーが取り入れられ、通常座席のモケットはグリーン、優先席のモケットがマゼンタ基調となっている。この他、車内灯は全てLED灯となり、扉鴨居部には15インチハーフサイズの液晶表示器を2基千鳥配置、1編成に防犯カメラを2基備えるなど、更なる省エネ化とサービスレベル向上、安全面の強化がそれぞれ図られている。尚、同時期に導入された都電8900形同様、吊り革の一部にハート型のものが採用されている。330形は2015年10月に運用を開始しており、以降300形と混用されている。2017年の車両新造は新潟トランシスが落札し、増備された車両が別形式(320形)となったため、しばらくは1本のまま推移したが、2019年以降増備が再開した。2020年までに増備された3本は輸送力増強を目的としていたが、2022年からは300形の老朽取替を目的とした車両の製造が始まっており、今後も更に増備が進む見込みとなっている。

 2016,05,07 熊野前


■Variation
 登場からしばらくは1本のみであった330形だが、輸送力増強及び300形置き換えを目的として2019年から増備が再開され、着実に編成両数を増やしている。増備車はフリースペースが各車両に設置された他、防犯カメラの設置や抗ウイルスコーティングなど、安全性を高める改良がなされている。

 2023,03,21 熊野前
2023/03/21