800系
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 800系は1998年に営業運転を開始した通勤型車両である。西武401系を種車としており、2両で1編成を組む。この点は1997年に営業運転を開始した820系と同一だが、こちらは前面の形状が大きく変更されており、220形に準じた折り妻状のスタイルに改められており、前照灯・尾灯は220形と同じものが採用されている。他方側面・車内は西武鉄道時代からあまり変わっていないが、車両限界の抵触を避けるため、連結面の角が削られている他パンタグラフが1基撤去されている。また、ワンマン運転に対応するため乗務員室背後は座席が撤去され、運賃箱・運賃表示器が設けられている。台車や電装品はその殆どが西武鉄道のものを引き継いでおり、駆動方式は中空軸カルダン駆動方式、制御方式は抵抗制御方式だが、制動は近江鉄道標準のHRD電気指令式ブレーキに改められている。800系は1編成が既に1993年には竣工していたものの、それまで20m車を導入していなかった近江鉄道では、八日市線で車両限界に抵触することが判明したため改良が終わるまで運用に就くことができず、長い間彦根工場に留め置かれていた。最初に導入された1編成のみ、米原方の車両が電装解除されて1M1T編成で、パンタグラフも2基配置となっていたが、運用開始に際しては再度の電装化がなされ、2M編成に改められたと同時に1基パンタグラフが撤去されている(他の編成は全て当初より2M編成となっている)。折しも非冷房・釣り掛け駆動の1系や500系の老朽化が進んでいたため、運用開始後は増備が進み、最終的には2009年までに2連11本が投入された。この結果近江鉄道では現在に至るまで、最も両数の多い形式になっている。車両により種車である西武401系の製造時期が異なっており、それ故編成ごとに外観・内装がやや異なる仕様となっているが現在に至るまで仕様の統一は行われていない。前述のとおり最も両数の多い車両であることから全線で主力車両として活躍している。尚、当初ステンレス無塗装であった側扉の塗装化や行き先表示器がLED化等、運用開始後も形態変化を生じさせつつある。なお、801Fについては2017年に、803Fについては2020年にそれぞれ廃車されている。

 2008,08,05 高 宮


■Variation
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 第1編成の801F。この編成のみ1993年には竣工していたが、長い間運用に就くことができず保留車扱いとなっていた経緯をもつ。この編成のみ登場時は白地に3色帯を巻いた所謂「ライオンズカラー」に塗装されており、220形に近い印象であった。2009年からは他編成と同じレモンイエロー一色に塗られており、後に全面広告が施された。同編成は2016年に落雷の憂き目に遭い、そのまま運用離脱し翌年に廃車されている。800系としては初の廃車となった。

 2008,08,05 八日市
 ダイドードリンコの全面広告を纏っている802F。最も両数の多い800系は、このような全面広告が施される機会も多い。800系は801Fが運用投入に際し再度の改造が施されたため、この編成が最初に営業運転に投入された。この編成は西武401系の中でも後期に製造された車両を種車としており、側面には雨樋が露出せず、張り上げ屋根状になっているのが特徴である。編成を問わず、2014年になり行き先表示器が全てLED化されている。

 2015,02,07 八日市
 800系としては最も遅い2009年に営業運転を開始した811F。最新の編成ではあるが種車は西武401系の初期グループのため、側面の雨樋が露出している。この編成は2015年から伊藤園の広告車両となっており、「おーいお茶」「おーいお茶濃い味」に因んだ色のラッピングが施されている。

 2023,07,31 武 佐〜近江八幡
2023/10/01