1150型は1952年に登場した車両である。前年に製造された1500型に準じた車体となっており、流線型の前面を採用した全長12mの全鋼製車両となり塗装も1500型と同じものが採用された。ただしこちらは完全新製車ではなく、走行機器類には同時期に廃車となった800型の発生品が流用されており、その為に駆動方式は旧来からの直接駆動方式となっている。外観でも屋根形状が異なる他、大部分の車両で下部の尾灯が丸形となっているという違いが生じている。ただし1954年製の最終グループを中心にテールライトが更新後の1100型に準じた長方形のものに変更された他、前面左側の窓及び側窓の上部がHゴムを用いた所謂「バス窓」となった車両も存在し、同一形式内でも異なる印象の車両が存在した。前述の通り1954年までに全22両の陣容となった1150型は1500型と共に戦後の横浜市電を代表する形式の一つとなり、かつ前述の通り制御方式が大多数の車両が採用していた直接駆動方式だったこともあり大車輪の活躍をみせた。全車両ともワンマン化改造が施され、1500型に比べて目立つ存在ではなかったものの1972年の市電全廃までの20年間主力車両としてあり続けた。廃止後は大多数が解体されたが、唯一1156号車が「ワンマンカー」表記を撤去の上で港南区の久良岐公園に静態保存された。長年にわたり屋外保存されたことで老朽化が進み、一時は解体の危機に瀕したが、2012年になって全面的な整備がなされており、床下機器が撤去された状態であるものの内外装共に綺麗に修復されている。 2013,04,14 久良岐公園 |