1500型
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 1951年登場。旧型車両の置き換えに伴う体質改善と市電輸送のテコ入れを図るべく日立製作所にて製造された車両である。1948年に投入された1400型より、再び流線形を導入する等車両のデザインを意識した車両が再度製造され始めていたが、本車は海外のPCCカーを参考にデザインのみならず更に性能を向上させた車両となっている。駆動方式は従来同様の釣り掛け駆動ながら、制御方式には低圧電源による回路から遠隔の主回路を操作・制御する間接制御方式を採用。またブレーキ応答性を向上させるべく電気制動が採用されている。台車は日立製作所が開発した防振台車が搭載され、低騒音化及び乗り心地の向上に寄与している。全長12mの車体はプレス材を用いることで軽量化を図り、流線形の形状や前面への大型2枚窓の設置等より軽快なデザインへと仕上がっている。尚、ストップランプは角型のものが採用されているが、製造当時は「STOP」という文字が浮かび上がる仕様となっていた。PCCカーを意識したデザインに新機軸の採用、更にまとまった両数が製造された同車は一躍主力車両となり、戦後の横浜市電を代表する車両と言っても過言ではない。ただし同車の特徴の一つであった間接制御は後に増備された1600型には波及せず、逆にこちらがワンマン化改造に際して直接制御方式へと改造されている。全20両ともワンマン化改造を受け殆どの車両が路線廃止まで残ったが、一部はそれ以前に廃車されている。現在は1510号車が市電保存館に、1508号車が横浜市内にそれぞれ静態保存されている。

 2012,08,25 市電保存館



■Variation
 2013年のリニューアルと共に、塗装変更の施された1510号車。薄茶色とクリームの2色という、俗に「コーヒーブラウン」と称された塗装に変更されているが、この塗装は1500型と同形の1150型のうち2両に一時期塗装されたのみであり、1500型自体に塗装されたことはなかった。尚、塗装の変更のみならず、停止表示灯が登場当時の「STOP」と表記されたものに復元されており、こちらも特筆事項と言える。

 2014,02,16 市電保存館