50系SL人吉
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 現在「SL人吉」を中心に充当されている客車は、元々久大本線などで使用されていた50系客車3両を種車に、1988年に営業運転を開始した8620形58654号機の牽引によるSL列車「あそBOY」に充当すべく改造を施した車両であり、700番台に区分されている。側窓や扉等に種車の面影は残すものの、一部扉が閉鎖された他屋根がダブルルーフ化され、更に編成の端部に展望スペースが設けられ非貫通構造となるなど、その形態は大きく変化している。塗装は茶色と白を基調に下部に金色の枠をあしらい、更に展望スペース部分には紋様がつけられた。車内はウエスタン調の内装にリニューアルされ、床を含めて内装には木材を多用し電球には白熱灯風のカバーが取り付けられた他、更にはシーリングファンを備えている。座席は全てボックスシートとなったが、シートピッチの都合上、車端部のみ2人掛けの席が設けられた。この他前述した展望スペースや、中間のオハ50形には酒場をイメージしたバーカウンターが設置されている。同車は長らくの間「あそBOY」及び一部期間で運転された「SL人吉号」の客車として親しまれていたが、2005年に58654号機が不調により運転を休止すると共に、2005年限りで同列車の運転を終了ししばらくは波動用車両となっていた。その後58654号機は修繕・復活を遂げることとなるが、復活に際しては従来の豊肥本線ではなく、熊本〜人吉間の「SL人吉」に充当されることとなった。これに合わせ、従来「あそBOY」で使用されていた客車も2008年に再度リニューアルを施されることとなった。リニューアルは水戸岡鋭治氏が手掛けており、外観は黒一色をベースに金色の帯やレタリングが施されたものとなり、更に展望スペース部分はガラス張りの部分が増加したことで印象が変わっている。車内は木目調ではあるが従来とは趣の異なるものとなり、更に座席の生地も車両によって変えられておりとりわけ人吉方先頭車の一部は革張りとなっている。この他カウンターはビュッフェスペースにリニューアルされた他、熊本方先頭車の車端部にはライブラリースペースが新設されている。また車いす対応トイレを備えるなどよりバリアフリーにも対応したものとなった。「SL人吉」は2009年4月より営業運転を開始しており、以来SL運転時には同列車で、それ以外の時は多客臨時列車などに使用されている。

 2013,03,16 一勝地