1000形
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 1990年登場。四国島内では、分割民営化の直前にキハ32形・キハ54形が導入されたが、前後2つ扉で必ずしも地域輸送に合致したものとは言えず、また走行性能も従来車両に合わせられたことから速度向上等は見込まれるものではなかった。この状況に鑑み、更なる旧型気動車の置き換えには、ワンマン運転にも対応しつつより地域輸送に適応し、かつ走行性能向上によるスピードアップが図れる新型気動車を導入することとなった。これにより製造された一般型気動車が1000形である。JR四国では他のJR各社とは異なり新型車両には4桁の車両形式が付与されることとなったが、同形式は2000系気動車に続き2例目で、一般型車両としては初の事例となった。全長21m級の軽量ステンレス製車体で、この点はキハ54形と同一だが、こちらは前後に片開き扉、中央に両開き扉を配した特徴的な扉配置となり、ワンマン運転とラッシュ輸送の両立が図られた。また床面高さを下げることでステップレス構造となっており、乗降の円滑化が図られているが、これに合わせ同車の運用区間では低床のホームの嵩上げがなされている。走行機関は既に導入されていた2000系気動車と同型の出力400PSのものが1基搭載されており、これにより最高速度は110q/hとなり速度向上にも対応している。ブレーキ装置は応答性向上を図るため電気指令式ブレーキが採用されているが、これにより既存の車両とは併結が行えなくなっている。車内はロングシートとボックスシートを千鳥配置されており、1000形は1998年までに56両が製造されており、高知運転所と徳島運転所に配置され、既存車両の一部を置き換えた。また同車導入に合わせて当該区間ではホームの嵩上げがなされた。2006年以降は徳島運転所に在籍する1000形のうち18両が1200形へと改造されているため、1000形としては38両の在籍となっている。この38両も1200形に合わせて車いす対応トイレや半自動開閉用の押しボタンが新設される後天的改造が順次施工されているが、トイレの設置は半数の19両にとどまっている。ホーム嵩上げ区間の拡大に伴い運用範囲は漸次増加の傾向をたどっており、高知運転所所属の車両は土讃線全線及び土佐くろしお鉄道阿佐線全線、徳島運転所所属の車両は徳島線で運用されている(高徳線で使用されている車両は全車1200形に改造されている)。とりわけ高知地区では土佐くろしお鉄道の9640形との併結運用もあり、特筆事項となっている。

 2013,12,30 薊 野


2017/05/13