EDM・EDR形
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 現在の黒部峡谷鉄道で1000形客車に並んで代名詞的存在と言えるのは箱型電気機関車であるが、それまで凸型を採用していた中で初めて箱型車体で落成した機関車は1966年製のED形ED18号機である。以降製造された電気機関車は最新のEDV形に至るまで全て箱型車体となり、同機は以降の標準を築き上げた車両と言える(ただし当初は重連総括制御はできず、1971年以降の製造機には新造時から搭載された)。EDM・EDR形は、そのED形を種車に1990年以降増速化改造を施した機関車である。EDM形は、ED形と主電動機出力は同一であるがギア比及び自重を変更しており、定格牽引力を低下させる代わりに定格速度を向上させている。EDR形はEDM形を更に改良したものであり、主電動機を向上させ更に自重を増加させることにより、更に定格速度を向上させたものである。当初はEDM形への改造が進み、EDM形として新造された機関車もあることから両数は11両となったが、1993年以降にはEDR形への改造が始まり(最初に改造されたEDR17号機は凸型電機からの改造である)、更にEDM形の一部もEDR形へ改造の上編入、EDR形として新造された機関車も存在することから現在ではEDM形5両、EDR形12両と後者の方が両数が多くなっている。現在もなお黒部峡谷鉄道の代名詞的存在であることは変わらず、引き続き客貨両方で主力機関車として活躍している。尚、定格速度が異なる為、重連運転を行う際には基本的にEDM形とEDR形を混結させることはない。

 2011,07,30 欅 平


■Variation
 EDM形のまま残るEDM32号機。ほぼ同一の車体を有すが、定格速度はEDR形に劣る。このEDM32号機は1991年にEDM形として製造されており、同様に当初からEDM・EDR形として製造された機関車は他に2両存在する。因みに現在の箱型電気機関車は前面窓が大型一枚窓となっているが、それを採用したのはこのEDM32号機が初となる。

 2011,07,30 欅 平