14760形
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 1979年登場。富山地鉄の創立50周年を記念し、更なるサービスアップを目指して製造された自社発注車両である。それまでに製造された高性能車両と基本的な構造は類似しているが、全体的に角ばったデザインとなり、前面の方向幕部を黒く処理し大型窓と一体化させるという、所謂ブラックフェイスの採用など、当時流行したデザインも取り入れられたことからその印象は従来車とは異なっており、より近代化した姿となった。車内は転換クロスシートを基調に車端部をロングシートとしたセミクロスシートであり、富山地鉄の車両としては初めて新製時から冷房装置を搭載してサービス向上が図られている。1981年までに2連7本と増結車クハ175を交えた総勢15両が製造され、車両の体質改善と冷房化に伴うサービスアップを実現した。地方私鉄の自社発注車が少なくなっていた時期にあって自社発注車が量産された例は稀有であり、それが評価されて1980年にはローレル賞を受賞している。特急運用の増加を受けて車端部もクロスシート化された車両も存在するが、現在は全ての車両がワンマン化改造を受けており、運転台後部の座席は撤去されている。また、登場時は車内チャイムやミュージックホーンも備え付けられていたがこれらも後に撤去されている。製造から40年が経過した現在も全車両健在であり、最多両数の座は10030形に抜かれてしまったものの、引き続き主力車両として活躍している。

 2022,06,17 稲荷町


■Variation
 新塗装に変更された14760形。ただし全車両への波及はせず、特急運用に投入される車両を中心に従来の「雷鳥カラー」もそのまま残る。尚、この14770号車は、製造当時には初の高性能車であった14770形が改番されずに在籍していたことから「14760号車」として製造された過去を持つ。14770形が14790形へと改番されたことにより、晴れて本来の車番である「14770号車」となることとなった。

 2009,03,10 越中舟橋〜寺 田
 1981年に製造された増結用制御車クハ175号車。従来のクハ170形の続番として振られているが、その車体は14760形そのものである。増結相手が非貫通型であるため、こちらの車端部も非貫通型となっており、他の車両への通り抜けはできない。朝ラッシュ時を中心に増結運用に入るが、同車を連結した場合はワンマン運転は行わない。

 2009,03,10 越中舟橋〜寺 田
 カターレ富山のラッピングが施されている14760形。2022年から14760形の一部編成でフルラッピングが施されており、異彩を放っている。

 2022,06,17 稲荷町

2022/06/18