14720形
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 14720形は1962年に製造された車両である。日本車輌で製造され、同車が私鉄向けに手掛けた全長18m級2扉の、所謂「日車ロマンスカー」の一車両で、前年に製造された10020形とその造形・内装はほぼ同一となっている。10020形は主電動機出力を下げる代わりにMMユニット方式を採用していたが、こちらは既存車両と同様の主電動機出力を有し、かつ1M制御となっている。車内は転換クロスシートを基調としているが、車端部のみロングシートが採用されており、10020形の第1編成とほぼ同一となっている。製造当初は14720形2両に中間付随車サハ220形を連結した3両で1編成を組んでおり、この編成を組んでいた1969年には全国植樹祭に係るお召し輸送に充当されている。なお、製造当初の塗装は濃淡オレンジのツートンカラーであったが、お召し列車充当時は既に白を基調とした塗装に改められていた。その後本形式は編成が崩され、サハ220形を制御車に改造したクハ170形と14720形で2連を組むようになり、以降はクハ170形を含め2連2本の陣容となった。1986年から翌年にかけて冷房化、更に1997年にはワンマン化対応工事が施工されているが、これにより非ワンマンのまま存置された10020形とは異なり、運用は限定されずに各種運用に使用された。2012年には第1編成が立山駅構内で車両火災が発生した影響でそのまま廃車され、以降は第2編成1本のみが残っていたが、前述のとおり運用の限定は最後までなかった。「日車ロマンスカー」としては最後まで現役を通した車両として貴重な存在ではあるが、17480形への置き換えにより、2019年12月を以て運用を離れている。

 2016,07,08 電鉄富山


■Variation
 第1編成は晩年、新塗装である緑と黄色のツートンカラーとなっていた。この編成のクハ170形は10020形から編入された車両である。ワンマン化もなされていたことから主力車両の一翼を担っていたが、2012年1月に発生した車両火災の影響で運用を離れ、そのまま廃車されている。

 2009,03,10 電鉄富山

2020/01/11