2020系
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 2017年登場。経年を迎えた8500系等を置き換え、100周年を迎える東急における新たな標準車両とするために田園都市線用に開発・投入された通勤型車両であり、田園都市線では5000系以来15年ぶりの新形式である。5000系の後継車両ではあるが、2020年に東京五輪が開催されること、2022年に東急が創業100周年を迎えることから、「2020」という形式が付けられている。車体は総合車両製作所の手掛ける軽量ステンレス車体「sustina」が採用されており、東急では初めて本格的に導入されている。車体デザインは樺O青社が監修しており、コンセプトカラーを「INCUBATION WHITE」として、ラインカラーの緑色の帯と共に、排障器から扉上の部分に至るまでに一体化して同色が配された。前頭部はブラックフェイスながら丸みを帯びた柔らかなデザインとなっている。照明器具は全てLED化されており、特に前照灯は下部に4灯、上部に2灯の6灯配置となった。走行機器類はJR東日本が山手線向けに投入したE235系に準じており、制御方式はE235系同様SiC-VVVFインバーター制御方式、主電動機は全密閉式の三相かご形誘導電動機となっている。これら機軸の導入等により、使用電力量は8500系の約半分、車外騒音は8500系に比べ10dB程度低減された。また、車両情報装置としてはINTEROSが採用されており、情報の大容量化により従来以上に車両情報等の即時活用が可能となっている。また、これにより運転台はグラスコクピットとなった。車内は片持ち式ロングシートとなっており、5000系列の一部で採用されているハイバックシートを全面的に採用した。床や袖仕切りを木目調、座席を緑基調とすることで、全体的に明るめのカラースキームとなっている。液晶表示器はそれまでの扉鴨居部への2基設置に加え、扉間及び妻面の鴨居部にもデジタルサイネージを大手私鉄の車両として初めて導入し、中間車1両につき計36基の液晶表示器が配置された。この他、妻面に防犯カメラを備える他、空気清浄機として「ナノイー」を東急の車両では初めて搭載した。2020系は2018年3月に営業運転を開始しており、当初は東武線に直通しない運用に限定使用されていたが、同年10月より東武線への直通も始まり、更に増備も進んだことでその活躍範囲を広げつつある。なお、東急の車両は従来基本的に総合車両製作所横浜事業所(旧東急車輌)で製造されていたが、本系列では横浜事業所に加え、新津事業所でも製造されている。同型は今後も増備が進み、2022年度までに8500系を置き換えていく計画となっている。なお、2018年度に製造された編成のうち2編成は、大井町線へのQ-SEAT車導入に伴い捻出された6020系デハ6320形を編入した車両を組み込んでいる。

 2018,03,13 二子新地


■Variation
 第2編成となる2122F。この編成は、東急の車両として初めて総合車両製作所新津事業所で製造されている。

 2018,03,13 二子新地