7000系
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 1974年の有楽町線一期区間の開業に合わせて製造された、有楽町線の初代車両である。既に千代田線で営業運転を開始した6000系がベースとなっており、20m4扉のオールアルミ車体や前面の形状も類似しているが、こちらは帯が有楽町線のラインカラーに合わせた黄色となっている他、将来の西武線における優等運用を考慮し、貫通扉上部に種別幕用の小窓がつき、車番表示の位置が変更されている等の差異が生じている。制御方式は6000系の電機子チョッパ制御方式をベースとしつつ、抵抗器を廃したAVFチョッパ制御方式が採用された。これにより6000系に比べて消費電力量が抑えられ、回生制動とあわせて更なる省エネ化を実現している。7000系はまず1974年に5連19本が製造された後、輸送力増強や路線延伸に合わせて増備が続き、最終的には1989年までに10連34本の陣容に成長した。増備の段階で内装のカラースキームや窓形状等に差異が生じているが、基本的なデザインは変わりなく推移している。尚、東武東上線や西武池袋線との直通運転開始に際しては直通対応機器が追加設置されている他、西武池袋線との直通開始に際して行き先表示器が全編成ともLED式のものに改められている。7000系は1994年からB修工事が施行されており、自動放送装置や車内案内表示器の設置、カラースキームの変更などが行われた他、一部編成はIGBY-VVVFインバーター制御方式へと改められている。修繕を経てもしばらくは340両体制が続いた7000系だが、2008年の副都心線開業に合わせて前年より対応化改造が施され、施行車はラインカラーが10000系と同じものに変更された他、ATO・ワンマン化改造が施されており、更に主幹制御器がワンハンドルマスコンハンドルに換装されている。またドアチャイム・車内案内表示器も変更及び追加設置が施されており、車内外共に印象が変わっている。改造された編成のうち15本は8両編成に短縮されており、編成を余剰となった車両は廃車された。これ以外にも施行対象とならなかった編成が10000系に置き換えられて廃車された結果、現在は8連15本・10連6本の陣容となっている。また残存車は全編成ともIGBT-VVVFインバーター制御方式で統一されている。8連は副都心線の各駅停車を中心に2013年からは東急線・みなとみらい線の各駅停車にも使用され、また10連は新木場及び元町・中華街〜森林公園・飯能間と広範にわたり主力車両として活躍している。なお、2020年度より後継車両となる17000系の新造が決まっており、今後の動向が気にかかる。

 2008,02,03 和光市


■Variation
 1983年の池袋〜営団成増間延伸に合わせて製造された3次車。同車より側窓が一段下降式に変更された他、側扉の窓が若干大型化される等変化が生じている他、当初より冷房準備車として落成し、送風装置がラインデリアに改められている。また内装のカラースキームも変更された。尚、有楽町線は営団成増までの延伸時に10連化が実施されており、編成単位で製造された車両の他、既存編成の増結用に製造された中間車100両も3次車に分類されている。このうち編成単位で製造された10連6本は副都心線対応化改造はなされず2010年までに全車廃車されており、一部車両はインドネシアに譲渡されている。

 2009,02,09 川越市
 1989年、輸送力増強用に製造された6次車。車体形状は5次車とあまり変わりないが、車内案内表示器やドアチャイム・自動放送装置・車外スピーカー等が当初から搭載されており、従来の編成以上のサービスアップを実現している。このグループは10連2本の陣容となっていた。同車の仕様は翌年に落成した6000系や8000系5次車にも反映されている。現在は2本とも8連に短縮の上で副都心線用の車両となっている。

 2008,07,27 和光市
 副都心線直通対応工事が施されたトップナンバー編成。マスコンハンドルがワンハンドルマスコンに変更されている他、ATOの搭載やワンマン運転への対応等、副都心線に適応すべく改造が行われている。また車内LEDが2段式のものへと変更された他、ドアチャイムも従来と異なるものが採用されている。当初、B修繕を施された車両の多くが10連のままで副都心線対応改造が施される予定であったが、MT比出力の違いや早急な車両配備が求められたこともあり、大半は10000系の増備で賄われた結果廃車されてしまった編成も存在する。現在では7000系の10連は6本のみという少数派となっている。

 2008,07,27 和光市
 2013年3月の直通運転開始を前に、先んじて東急東横線・みなとみらい線で営業運転を開始した7000系。副都心線対応化改造が施された7000系のうち15本は、8連しか対応しない東急線内の各停運用への充当を考慮し8両編成に短縮され、余剰の2両は廃車されている。改造時は東急線への直通対応工事は準備段階であったが、現在は全編成施行が終わっており、10000系と交互に東急に貸し出され、営業運転に供されている。とりわけ渋谷〜代官山間の地上区間への乗り入れは期間限定となるため貴重な記録となる。

 2012,11,20 新丸子
 1988年、新富町〜新木場間開業に合わせて製造された5次車。このグループより新造時から冷房装置を搭載している。尚、4次車以降は全編成とも8連化の上で副都心線対応工事が施行されているが、工事と同時にB修も施行されており、側扉の窓が大型化されているのが外観上の特徴となっている。尚、この8連化は2013年3月より乗り入れる東急東横線に対応するもので、10連が充当できない各停の運用を中心に使用される。この工事の際、余剰となった車両に関しては廃車されている。

 2008,07,27 和光市

2019/09/04