2000系
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 2018年登場。経年を迎えつつある02系の置き換えを目的に導入された車両で、丸ノ内線の第三世代にあたる車両である。本形式は丸ノ内線の歴代車両の意匠を踏まえつつ、「丸」を押し出したインパクトのある外観となった。車体色は300形の塗装をベースにメタリック調にアレンジした「グローイング・スカーレット」と呼ばれる色を基調とし、丸ノ内線の初代車両300形の代名詞でもある「サインウェーブ」をあしらっている。この「サインウェーブ」はホームドアの設置されている駅ホームからも視認できるよう、先頭部から斜めに立ち上がり窓上に配したデザインとなっている。1000系と同じく外装はフルラッピングで仕上がっている。先頭部は曲面的なデザインが特徴で、既存の車両に比べ車両強度を高めた設計となっている。前照灯・尾灯の形状は300形を模した鍵穴状のものが採用された。制御方式はVVVFインバーター制御方式で、制御装置にはSiC素子を用いたVVVFインバーター制御装置、主電動機は永久磁石同期電動機がそれぞれ採用されている。高効率の制御装置の採用により、従来の02系VVVFインバーター制御車に比べ、消費電力は2割減となる見込みである。また、非常走行用のバッテリーを搭載することで、万一の停電時にも駅等への自走が可能となっている。車両情報管理装置は1000系等に引き続いてTISが採用されているが、本形式は回線がイーサネットによるものとなり、情報の大容量化により車両情報の随時発信が可能となっている。また、本形式では日本の地下鉄車両では初めて無線式列車制御システム(CBTC)の導入が考慮されており、試験運用を経て2022年度より本稼働の予定となっている。台車は1000系と同様自己操舵式台車が採用されており、走行の安定性や軋み音の低減に寄与している。また本形式では東京メトロの車両として初めて脱線検知装置が搭載されている。車内はオールロングシートで、カラースキームはピンク色を基調としつつ随所に赤と黒の対比を取り入れている。つり革は1000系の特別仕様車で採用されたリコ式風のものが全車とも車端部にフリースペースが設けられたほか、小物が置ける小テーブルや携帯等の充電が可能なコンセントが設けられており、いずれも地下鉄車両としては初の設置となった。内装についても、車端部の窓への丸窓の採用や球状の天井パネルの採用、妻部壁面及び客室間貫通扉に円状模様を取り入れるなど、随所に「丸」を織り込んだものとなった。車内案内表示器は1000系や13000系と同様各扉の鴨居部に液晶表示器が3基設けられた。2000系は2019年2月より営業運転を開始した。今後は2022年度までに53編成が導入される予定で、02系を順次置き換えていく。中期に製造された第32編成までは日本車輌での製造となったが、以降の編成については近畿車輛で製造されている。同形式及び銀座線における1000系の導入により、東京地下鉄の第三軌条線区における新車両の形式は4桁に統一されることが決定した。

 2019,05,01 四ツ谷


■Variation
 2000系は2021年に製造された第33編成から近畿車輛の製造に変更された。外観上は殆ど変わりないが、天井構造など細部に違いが生じている。

 2023,05,24 四ツ谷

2023/06/01